自作NASのOSSとしてはTrueNAS(旧FreeNAS)が有名ですが、私はOpenMediaVault推しです。
OpenMediaVaultはFreeNASプロジェクトからフォークしたプロジェクトで「FreeNAS(FreeBSDベース)をLinuxへ移植」を目的としたプロジェクトだとのこと。
※現在ではFreeNASも「TrueNAS Scale」としてLinuxへ移行
TrueNASがZFSファイルシステムをフル活用した高機能なストレージサービスであり、それなりに(ZFS故)マシンスペックを要求するのに対し、OpenMediaVaultは軽量・サクサクで古いスペックのPCでも動いてくれる点が魅力です。
さらにOpenMediaVaultにはプラグイン機能が充実しており、プラグインによりシステム機能を拡張できる柔軟性があります。
本記事はこの「OpenMediaVaultのプラグイン機能」について、どんなプラグインがあるのか?の忘備録と検証作業メモとなります。
※特定プラグインの詳しい情報はありませんので悪しからずご了承ください。
- OpenMediaVault標準/拡張プラグイン一覧
- システム関連
- 仮想マシン環境
- ストレージサービス
- ネットワークサービス
- OMV-wireguard(拡張):WireGuardプラグイン
- OMV-sftp(拡張):sftpサーバープラグイン
- OMV-ftp:ftp(ProFTPD)サーバープラグイン
- OMV-tftp:TFTPサーバー環境プラグイン
- OMV-snmp
- OMV-tgt(拡張):iSCSIターゲットプラグイン
- OMV-webdav:
- OMV-wol(拡張):WOLマジックパケット送信
- OMV-downloader:
- OMV-fail2ban:
- OMV-filebrowser:
- OMV-hosts:hostsファイル編集
- OMV-iperf3(拡張):iperf3サーバー環境構築
- OMV-Wetty:Web TTY(コンソール)機能
- スケジュールサービス
- バックアップ
OpenMediaVault標準/拡張プラグイン一覧
標準プラグイン一覧
OpenMediaVault(7.7.4-1)で標準提供されているプラグイン一覧です。
OpenMediaVaultをインストールすると標準で利用可能状態となっています。
あとは使いたいプラグインを選んで(黄色反転)「インストール」ボタン押下するだけでプラグインがインストールされ、各機能が使えるようになります。
標準プラグインはOpenMediaVault(7.7.4-1)では以下のようなものが提供されています。
プラグイン | 機能概要 |
---|---|
OpenMediavault-apt | APTリポジトリ管理 |
OpenMediavault-bcache | SSDキャッシュ機能 SSDを使ってread/writeキャッシュ機能を構築できる |
OpenMediavault-clamav | アンチウィルス機能 |
OpenMediavault-diskstats | ディスク情報 DAshboardにディスク情報を表示 |
OpenMediavault-filebrowser | ファイルブラウザ 共有フォルダをブラウザで利用できる |
OpenMediavault-ftp | FTPサーバー機能 |
OpenMediavault-hosts | hostsファイル管理 |
OpenMediavault-k8s | k8s(Kubernetes)機能 ※kubernetesです、難しすぎてわかりません(^^ゞ |
OpenMediavault-lvm2 | LVM(Logical Volume Manager2) |
OpenMediavault-md | MultipleDevice機能 RAID機能がプラグイン実装 もはや必須プラグイン? |
OpenMediavault-nut | NUT(ネットワークUPSツール) |
OpenMediavault-onedrive | OneDriveクラウド連携 |
OpenMediavault-owntone | DAAP/MPDメディアサーバー iTunesサーバーになる |
OpenMediavault-photoprism | PhotoPrismプラグイン |
OpenMediavault-podman | podman(dockerみたいなやつ)環境構築 |
OpenMediavault-s3 | AWS S3ストレージ連携 |
OpenMediavault-shairport | AirPlayが使えるようになる miniDLNAプラグインとセットで使うと面白い? |
OpenMediavault-sharerootfs | “rootfs”領域に共有フォルダを作成できる ※大容量ディスク1本でもとりあえずOMVが動く? |
OpenMediavault-snmp | SNMP機能 |
OpenMediavault-tftp | TFTPサーバー機能 |
OpenMediavault-usbbackup | USBハードディスクとの連携機能 |
OpenMediavault-wetty | ブラウザでTTY(ターミナル)が使える |
拡張プラグイン(OMV-Extras)一覧
OpenMediaVaultプロジェクトでは「OMV-Extras」という拡張プラグイン機能の開発が行われており、標準プラグインに加えてこの拡張機能プラグインを利用することも可能です。
拡張プラグインはOpenMediaVaultインストール時には利用可能ではなく、別途追加でOMV-Extrasのリポジトリを追加することで利用可能となります。
wget -O - https://github.com/OpenMediaVault-Plugin-Developers/packages/raw/master/install | bash
拡張プラグインのリポジトリをインストールすれば、後の使い方は標準プラグインと同じです。
メニュー「システム > プラグイン」に標準プラグインと同時に拡張プラグインも表示され、プラグインインストールが可能となります。
拡張プラグイン(OMV-Extras)には以下のような拡張プラグインが含まれています。
必須(?)のプラグイン
OpenMediaVaultの利用を検討している方の多くはRAID構成による運用を視野に入れていると思います。
OpenMediaVaultでは「stripe(RAID0)/Mirror(RAID1)/Liner(JBOD)/RAID5/RAID6/RAID10」のRAID構築が可能です。
かつてのOpenMediaVaultではこれらRAID関連機能は標準機能として備わっており、またそれを前提としたウェブ上の情報も多く存在しています。
しかし、現在のOpenMediaVaultではこのRAID機能は標準プラグイン「OMV-md(Multiple Devices)」としてプラグイン提供になっています。
これからOpenMediaVaultの環境構築を行う方は「RAID構築にはプラグイン必須!」という点に気を付けてください。
システム関連
OMV-apt:
OpenMediaVault-aptはシステム標準以外のaptリポジトリを管理するプラグインです。
インストールするとメニュー「システム > アップデート管理 > 設定」の中に「Other Software」が出現します。
OpenMediaVaultのシステムが管理するリポジトリとは別にリポジトリを追加したい場合に「OpenMediaVault-apt」プラグインを使ってリポジトリ登録すると良いでしょう。
OMV-apttool(拡張):
OMV-apt(The APT tool Plugin For OMV6)はLinuxのパッケージ管理コマンド”apt/apt-get”をOpenMediaVault上のGUIから実行可能となるプラグインです。
インストールするとメニュー「サービス > ATPツール」が出現します。
OpenMediaVaultにはシステムアップデートやプラグインアップデートの機能が標準で組み込まれていることから、それ以外のアップデート/管理をしたい場合に導入するプラグインとなりますが・・・
そもそもOpenMediaVaultの標準機能(プラグイン機能含む)以外に”apt/apt-get”コマンドで機能追加している人はコンソールやSSHで管理しているのではないか?そうであればGUIから操作する場面はないのでは?と思うのですが・・・
ま、必要であればインストールすると良いでしょう、くらいだと思っています。
OMV-bcache:SSDによるread/writeキャッシュ
SSDをread/writeキャッシュとして構築してくれるプラグインです。
最近のNASではSynologyやQNAPでもSSDを追加してbcache化することができるし、これはぜひ使ってみたい機能です。
インストールするとメニュー「ストレージ > Bcache」が出現します。
これはぜひ使ってみたい!
OMV-clamav:アンチウィルス
OpenMediaVault-clamavプラグインはアンチウィルスソフト「clamav」を利用可能としてくれるプラグインです。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > アンチウィルス」が出現します。
OMV-cputemp:
OMV-diskstats:
OMV-hddfanctrl:
OMV-kernel(拡張):カーネル環境の管理
OpenMediaVault-kernelプラグインはOpenMediaValutの複数カーネルを管理するプラグインです。
複数の起動カーネルを管理/起動選択できるようになる、という感じです。
また、GParted/RescueZillaなどレスキュー系のLive起動環境を管理し、トラブル時のレスキューが可能なブート環境を構築することができます。
さらに「より安定的/先進的なLinuxカーネル」と言われているProxmoxカーネルをインストールすることもできます。
ProxmoxカーネルはQEMU/LXC/ZFSなどへの対応に実績があることから、OpenMediaVaultでKVMプラグイン(KVM仮想化)やZFSプラグインを利用する場合には本プラグインにてProxmoxカーネルに入れ替えたほうが良いかもしれません。
プラグインをインストールするとメニュー「システム > カーネル」が出現します。
本画面のメニューから「起動カーネルの選択」「Proxmoxカーネルのインストール」「CloneZilla Live環境」「GParted Live環境」などの管理ができます。
OMV-flashmemory:USB/SDカード起動用プラグイン
OpenMediaVault-flashmemoryプラグインはUSBメモリーやSDカードからOpenMediaVaultを起動可能とするプラグインです。
※と、説明されています。
実際にはUSBメモリーやSDカードなどへのインストールは本プラグインがなくても可能なのですが、本プラグインはそのシステム起動用のUSBメモリーやSDカードの寿命を延ばしてくれるプラグインとなります。
一般的にシステム起動ドライブはシステム起動中にはあまりアクセスがなく、アクセスは大量のログファイル記録が行われます。
本プラグインはこの大量・高頻度のログ書き込みをバッファリングし、USBメモリーやSDカードなどの起動ドライブへの書き込み頻度を下げてくれるプラグインです。
この仕組みにより、HDDやSSDより寿命が短いUSBメモリーやSDカードの寿命が延びる、という仕組みです。
よって、本プラグインはUSBメモリー/SDカードなどでの起動時だけでなく、SSDやHDDからの起動時にもインストールしておくと良いと思います。
仮想マシン環境
OMV-kvm:KVM仮想マシンプラグイン
OpenMediaVault-kvmプラグインはOpenMediaVault上にKVMベースの仮想マシン環境を構築支援してくれるプラグインです。
本プラグインをインストールすることでKVMベースの仮想マシンを構築・運用管理するためのすべての機能が構築されます。
結構真面目に仮想サーバーとして使えちゃうので笑ってしまいます、すごいですねこれ。
当サイトでのKVMプラグイン参考記事
KVMプラグインを使ってOpenMediaVaultサーバー上にWindows11の仮想マシンを構築してみました。
Windows11のインストールからOpenMediaVault上での管理、そしてネットワーク設定までを説明しています。
OMV-compose(拡張):docker composeプラグイン
OpenMediaVault-composeプラグインはOpenMediaVault上にDockerの動作環境およびDocker Compose環境を一発で構築してくれます。
このプラグインだけでDocker環境が出来上がります。
インストールするとメニュー「サービス > Compose」が出現します。
OpenMediaVaultでdockerを使う
OpenMediaVault-Composeプラグインはこれオススメです。
簡単にdocker環境が構築できるだけでなく、主要なdockerアプリについてはすでにOpenMediaVault環境にカスタマイズされたdocker-composeファイル(yamlファイル)が標準提供されており、docker構築も非常に簡単です。
つまり、OpenMediaVaultは本記事で紹介しているプラグインによる機能拡張に加え、dockerを使ってプラグイン感覚でdockerによる機能拡張ができるようになっています。
もしすでにOpenMediaVaultをお使いであれば、ぜひdocker-composeプラグインを使ってみてください。
本サイトではComposeプラグインを使って「NextCloud環境」「tailscaleによるVPN環境」を構築した記事を公開しています。
OMV-k8s:Kubernetesプラグイン
OpenMediaVault-k8sプラグインはOpeMediaVault上にk8s(Kubernetes)環境を構築してくれるプラグインです。
インストールするとメニュー「サービス > Kubernetes」が出現します。
ん~、KubernetesむつかしいというかOpenMediaVault上で自分がどういうときに使うのかよくわかりません。
勉強して出直してきたいと思います。
OMV-podman:PODMAN環境構築プラグイン
OpenMediaVault-podmanプラグインはOpenMediaVault上にpodman環境を構築してくれるプラグインです。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > Podman」が出現します。
podmanはRedHat系のdockerみたいなサービスなのでdockerかpodmanかどちらかお好きなほうをどうぞ、みたいな使い方になるかな?
ストレージサービス
OMV-sharerootfs:rootfs共有プラグイン
OpenMediaVault-sharerootfsプラグインはシステムドライブの/rootfsを共有ドライブとして使えるようになるプラグインです。
通常、OpenMediaVaultはシステムドライブ(OSインストール先)に共有フォルダを作ることはできませんが、本プラグインを利用することでシステムドライブに共有フォルダを作成できるようになります。
本プラグインをインストールすると特に新しいメニューは出現しませんが、メニュー「ストレージ > 共有フォルダ」から共有フォルダを作成しようとすると、選択できる「ファイルシステム」にシステムドライブ領域が選択できるようになります。
コンパクトなPC(ミニPCなど)に大容量のドライブ1本でのOpenMediaVault構築の場合などで本プラグインを利用するとディスク1本でも共有ドライブが作成できる、ということですね。
OMV-sharerootfsプラグインの依存関係
OpenMediaVaultのプラグインには依存関係があり、「あるプラグインをインストールすると依存関係にあるプラグインも同時にインストールされる」という動作があります。
OMV-sharerootfsプラグインは依存関係が多く(依存されている)、OMV-kvm/OMV-compose/OMV-scriptsなどのプラグインをインストールすると同時にインストールされます。
なので、知らないうちに共有フォルダ作成時にシステムドライブが出てくることもあります。
また、「知らないうちにインストールされてた!」ということでアンインストールしちゃうと依存している他のプラグインも同時にアンインストールされてしまうのでご注意ください。
OpenMediaValutを1本のドライブで運用する
OMV-sharerootfsを使えばrootfs領域に共有フォルダを作成することができます。
この機能の応用として「ディスク1本でOpenMediaVaultが構築できる」となるわけですが、基本的にはやはりシステムパーティションとデータパーティション(共有フォルダ領域)はパーティションを分けるほうが良いと思います。
最近はSSD/HDDの容量も大容量化しており、システムドライブとしてだけ使うにはもったいない容量となりますが、この場合でも(ディスク1本でも)システムパーティションとデータパーティションは分けてOpenMediaVault環境を構築することをおすすめします。
OMV-md:RAID構築プラグイン
OpenMediaVaultでは「Stripe(RAID0)/Mirror(RAID1)/Linear(JBOD)/RAID10/RAID5/RAID6」のRAID構築ができます。
以前はこのRAID機能はOpenMediaVault標準機能として実装されていましたが、現在ではプラグイン機能として提供されています。
RAID構築する場合において必須のプラグインとなります。
「OpenMediaVault-md」プラグインをインストールすると、メニュー「ストレージ > Multiple Device」が出現しRAID構築ができるようになります。
RAID機能が標準機能からプラグイン化されたということは、それだけ必要性が小さくなった(Btrfsやzfsの利用が増えた?)ということなのでしょうか・・??
OMV-lvm2(拡張):LVM論理ボリューム管理
OpenMediaVault-lvm2プラグインはOpenMediaVault上でLVMボリューム管理機能が利用できる環境を構築してくれます。
インストールするとメニュー「ストレージ > LVM」が出現します。
OMV-zfs(拡張):ZFSプラグイン
OpenMediaVault-ZFSプラグインはOpenMediaVaultのファイルシステムとしてZFSが使えるようになるプラグインです。
インストールするとメニュー「ストレージ > zfs」が出現します。
ZFSプラグインの使い方は別途記事にする予定ですが・・・どうなんでしょう、ZFSを使いたいなら実績のあるTrueNAS Scaleを選んだほうが良いと(個人的には)思います。
OpenMediaVaultの良さはTrueNASに比べて軽量であること、これはTrueNASがZFSを採用している点が大きいです。
OpenMediaVaultをチョイスしたうえでZFSを導入すると、あまりメリットがなくなってしまうのでは??と思っています。
OMV-mergerfs(拡張):MergerFSプラグイン
OpenMediaVault-mergerfsプラグインはOpenMediaVaultで使えるファイルシステムに「MergerFS」の機能を提供してくれるプラグインです。
プラグインをインストールするとメニュー「ストレージ > mergerfs」が出現します。
MergerFSとはLinuxのファイルシステムのひとつであり、「複数のディスクを1本のディスクにまとめて(併合:Merger)見せる」ことができるファイルシステムです。
RAIDシステムに似ていますが、RAIDと違うのは「複数のディスクが同容量である必要はない」という点です。
容量バラバラの複数のハードディスクをMergerFSで束ねることで大容量の1台のハードディスク、と見せかけることが可能です。
手持ちの余っている(使い道のない)ハードディスクを使って大容量のバックアップ専用NASを構築する、なんて場合に便利な機能です。
これ自体はJBODでも実現可能ですが、SnapRAIDプラグインと組み合わせることで「さらにパリティによる冗長化ができる」というちょっと面白い(?)仕組みが構築できます。
OMV-snapraid(拡張):snap raidプラグイン
OpenMediaVault-snapraidプラグインはOpenMediaVaultのRAID管理にSnapRAIDの機能を付加してくれるプラグインです。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > SnapRAID」が出現します。
SnapRAIDとは何?
SnapRAIDは複数のディスクに対してパリティによるデータの復元性を管理してくれるRAIDシステムです。
パリティ管理といえばRAID5/RAID6と同じでは?となりますが、SnapRAIDがRAID5/RAID6と違うのはRAIDグループを構成するディスク容量が同じである必要がない、という点です。
SnapRAIDによるRAIDグループを構成するディスクが故障しても、新しいディスクを追加することでパリティからの復旧が可能、データが守られます。
RAID5/RAID6と何が違う
RAID5/RAID6の場合にはRAIDグループを構成するディスクはすべて同容量であることが前提です。
SnapRAIDではRAIDグループを構成するディスクは同容量である必要はなく、構成ディスクをそれぞれ個別のディスクとして管理します。
つまりRAID5/RAID6のように同一ファイルを複数のディスクへ分散書き込み・読み込みにより処理速度を向上する、といった機能はありません。
また、ファイル更新時のパリティ計算もRAID5/RAID6のようにリアルタイムではなく、SnapRAIDのパリティ計算は任意のタイミング(システム終了時、とか)にバッチ処理で行われます。
このため、SnapRAIDはファイル更新の頻度が高いNASではなく、あまりファイル更新されないバックアップ用だとか読み取りが多いNASなどでの利用を前提としています。
MergerFSと組み合わせて使うと便利
SnapRAIDを使えば容量バラバラのディスクに対してパリティによるファイル整合性を管理してくれます。
これによりRAIDグループのディスクが壊れても新しいディスクと交換することでデータ保全してくれます。
一方でRAID5/RAID6のように複数の(同一容量の)ディスクを束ねる(1本に見せる)という機能はありません。
先述の「MergerFS」は容量バラバラの複数ディスクを1本に束ねたように見せることができるファイルシステムです。
つまり、SnapRAIDとMergerFSを組み合わせて使うことで「なんちゃってRAID5」が作れてしまいます。
ネットワークサービス
OMV-wireguard(拡張):WireGuardプラグイン
OpenMediaVault-wireguardプラグインはOpenMediaVaultサーバー上にWireGuardによるVPN(Virtual Private Network)環境を構築できるプラグインです。
インストールするとメニュー「サービス > Wireguard」が出現します。
VPN環境を構築すると外出先からいつでも自宅のOpenMediaVault環境へアクセスできるようになります。
WireGuardは結構簡単にVPN環境が構築できるサービスです。
実際使ってみるとこれとっても良いです!
WireGuardでちょっと面倒な鍵ペアやIPアドレスの管理も自動的にやってくれるし、ボタンを4回くらい押すだけで超簡単にWireGuard環境が構築できてしまいます。
OMV-sftp(拡張):sftpサーバープラグイン
OpenMediaVault-sftpプラグインはOpenMediaVault上でsftpサーバー環境を構築できるプラグインです。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > sftp」が出現します。
本プラグインによるsftpサーバーはjails環境上に構築されます。
OMV-ftpプラグインによるproFTPD環境でもsftp(セキュアなftp)環境を構築することができますが、こちらのほうが情報量も多いですし一般的なのでは?・・・と思っていますがどうなんでしょうか。
OMV-ftp:ftp(ProFTPD)サーバープラグイン
OpenMediaVault-ftpプラグインはproFTPDによるftpサーバー環境を提供してくれるプラグインです。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > FTP」が出現します。
OpenMediaVaultの標準機能として、共有ディスク領域のユーザー利用として「NFS/Rsync/SMB/CIFS/SSH」のインターフェースが提供されています。
これに加えてOpenMediaVaultをFTPサーバーとして公開/利用する場合に本プラグインを利用します。
OMV-tftp:TFTPサーバー環境プラグイン
OpenMediaVault-tftpプラグインはOpenMediaVault上にTFTPサーバー機能を構築してくれるプラグインです。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > TFTP」が出現します。
TFTPサーバーは組み込み機器をいじってる方はよく使われる機能かもしれません。
また、私もOpenWrtルーターをいじるときによくTFTPサーバーを利用します。
そんな時に使うくらいですかね・・・
OMV-snmp
OMV-tgt(拡張):iSCSIターゲットプラグイン
OpenMediaVault-tgtプラグインはOpenMediaVault上のストレージ領域をiSCSIターゲット(サーバー)として公開するためのプラグインです。
iSCSIイニシエーターとなるデバイスに対してOpenMediaVault上のストレージ領域をイニシエーターの内臓ドライブとして提供できる機能です。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > Tgt」が出現します。
現在私はかなり非力なパソコンをOpenMediaVaultとして運用していますが、いつかお金をかけて(サーバー高性能化/SSD化/自宅ネットワーク10GbE化)OpenMediaVaultをiSCSIターゲットとし、Proxmox仮想サーバーからiSCSIターゲットとして使ってみたいですね(笑)
※動かすだけなら今の環境でも動くのですが・・・
OMV-webdav:
OMV-wol(拡張):WOLマジックパケット送信
OpenMediaVault-wolプラグインはOpenMediaVault上にWOL(Wake-on-Lan)インターフェースを構築してくれるプラグインです。
OpenMediaVault上のWOLインターフェースを通じて自宅マシンへマジックパケットを送信し起動(電源オン)してくれる、という仕組みの提供です。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > WOL」が出現します。
マジックパケットを送信する相手デバイスを事前登録しておくのが基本ですが、ネットワークスキャン機能があるのでボタン一発で自宅ネットワーク内のデバイス(NIC)を自動検索してくれるのでなかなか使い勝手が良いです。
OMV-downloader:
OMV-fail2ban:
OMV-filebrowser:
OpenMediaVault-filebrowserプラグインはOpenMediaVault上の共有フォルダをブラウザから操作可能なインターフェースを提供してくれます。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > ファイルブラウザ」が出現します。
機能を「有効」チェックすると、ブラウザ上で共有フォルダ操作ができるようになります。
OMV-hosts:hostsファイル編集
OpenMediaVault-hostsプラグインはOpenMediaVault上のhostsファイルを管理画面(WebUI)から編集できるプラグインです。
hostsファイルの運用を行っている方は便利かもしれません。
プラグインをインストールするとメニュー「ネットワーク > Hosts」が出現します。
OMV-iperf3(拡張):iperf3サーバー環境構築
OpenMediaVault-iperf3プラグインはOpenMediaVault上にiperf3サーバー環境を構築してくれます。
iperf3はネットワーク内のデバイス間のネットワーク転送速度を測定する場合に利用されるツールです。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > iPerf3」が出現します。
OMV-Wetty:Web TTY(コンソール)機能
OpenMediaValut-WettyプラグインはWebTTY(ブラウザでコンソール画面)機能を提供してくれるプラグインです。
インストールするとメニュー「サービス > WeTTY」が出現します。
WeTTYはブラウザ上で手軽にコンソール画面が開けます。
OpenMediaVaultはLinux(Debian)ベースのシステムなのでLinuxコマンドがある程度使える方はシステムの確認・操作のためにインストールしておくと便利です。
スケジュールサービス
OMV-anacron(拡張):Anacronプラグイン
OpenMediaVault-anacronプラグインはOpenMediaVault上でanacronを利用できるようになるプラグインです。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > Anacron」が出現します。
anacronとは?
一般的なLinux系OSにはcronというスケジュールでジョブ管理してくれる機能がありますが、anacronはこのcronの拡張版(?)です。
両者の違いは簡単には以下のようになります。
実行遅延 | cron | 実行遅延しない ※電源が落ちている時間帯のスケジュールは実行しない |
---|---|---|
anacron | 実行遅延してくれる ※電源が落ちていた時のスケジュールは電源オン時に遅延実行してくれる |
|
実行間隔 | cron | 最短で1分間隔でスケジューリングできる |
anacron | 最短で1日単位のスケジューリング |
OMV-scripts(拡張):Shell/Python Script実行管理プラグイン
OpenMediaVault-scriptsプラグインはシェル(Bash)やPythonによるスクリプトの自動実行およびスクリプトファイルの管理を行ってくれるプラグインです。
インストールするとメニュー「サービス > Scripts」が出現します。
OpenMediaVaultにはcronを使った自動実行/スケジューリングの機能として「システム > スケジュールされたタスク」があります。
OMV-scriptsはこの標準機能に加えて実行すべきスクリプトのスクリプトファイル(Bash/Python)を管理してくれる機能が追加されます。
このため、環境設定としてスクリプトファイルを管理する共有フォルダの作成/設定が必要です。
OMV-autoshutdown(拡張):自動電源断プラグイン
OpenMediaVault-autoshutdownプラグインは自動電源断/再起動/スリープなどの機能を提供するプラグインです。
プラグインをインストールするとメニュー「サービス > 自動シャットダウン」が出現します。
OpenMediaVaultには標準機能としてメニュー「システム > 電源管理」にてスケジュール再起動/シャットダウン/スリープなどの機能があります。
この標準機能は指定されたスケジュール(cron)に従って強制的に「再起動」「シャットダウン」「スタンバイ」の状態に移行してくれます。
OMV-autoshutdownは「強制的に」ではなく、システム(OpenMediaVault)の利用状況を見て「再起動」「シャットダウン」などの処理を行ってくれます。
つまり「利用者がいるときは再起動(シャットダウン)しない、利用者がいなくなってから再起動(シャットダウン)する」という機能が実現できるプラグインです。
OMV-wakealarm:
バックアップ
OMV-backup(拡張):バックアップジョブ管理/スケジュール管理
OpenMediavalut-backupプラグインはOpenMediaVaultのディスク領域/共有フォルダ領域のバックアップをジョブ化/スケジュール化してくれるプラグインです。
インストールするとメニュー「システム > バックアップ」が出現します。
バックアップの手法として「ddコマンド」「rsyncコマンド」「borgbackup」などが選択可能、それをスケジュール化することができます。
OMV-borgbackup(拡張):BorgBackup管理
OpenMediaVault-BorgbackupプラグインはBorgBackup機能を管理してくれるプラグインです。
BorgBackupはバックアップの差分管理・重複排除・世代管理などをやってくれる有名なバックアップのソリューションです。
本プラグインで簡単にBorgBackupの機能をインストールすることができます。
インストールするとメニュー「サービス > BorgBackup」が出現します。
OpenMediaVaultなどのNASを運用する場合にはそのバックアップをどうするか?は大切なことです。
BorgBackupはバックアップ対象を圧縮・重複排除したうえで履歴管理・復元までも管理できるソリューションであり、バックアップ設計をするうえで導入を検討したいソリューションです。
先述の「OMV-backup」プラグインを使ってBorgBackupをジョブスケジューリングし、そのバックアップ管理を本プラグインで行う、みたいな使い方になりますね。
OMV-diskclone(拡張):ddコマンドによるディスククローン
OpenMediaVault-diskcloneはOpenMediaVaultに接続されたディスク単位にddコマンドによるクローンを作成してくれるプラグインです。
インストールするとメニュー「サービス > Disk Clone」が出現します。
定期的にシステム領域のディスクを丸ごとddコピーとかでバックアップに使う、とかでしょうか・・・