格安SIMの人気ブランド「マイネオ(mineo)」では、2022年3月7日より新料金プラン「マイそく」の提供を開始します。
マイネオ(mineo)の従来の料金プランは毎月必要な高速データ通信量を決めて契約するプランであり、これを「マイピタ」プランと呼びます。
これに対して新しいプラン「マイそく」は「必要な低速通信の速度は?」という低速通信ありきの使い放題プランになっています。
ちょっと新しい考え方のプランですが、いったいどういうプラン設計になっているのでしょうか?
この記事ではマイネオ(mineo)の新しい料金プラン「マイそく」を詳しく説明していきます。
マイネオ(mineo)料金プラン「マイピタ」と「マイそく」
マイネオ(mineo)の料金プランは「マイピタ」プランと「マイそく」プランに分けられ、この2つのプランは使い方がまったく異なります。
ざっくり言えば「マイピタは高速通信従量制プラン」であり、「マイそくは低速通信無制限プラン」ということになります。
この違いを説明していきます。
【従来プラン】高速通信・従量制プラン「マイピタ」
まずはマイネオ(mineo)の従来からの料金プランである「マイピタ」プランをざっくりと説明します。
「マイピタ」はマイネオ(mineo)の従来からの料金プランであり、また格安SIMでは一般的な料金体系です。
毎月の自分が使う高速データ通信(ギガ)を決めてプランを選ぶのが「マイピタ」です。
「私は毎月3GBもあれば十分だから3GB/月のプランでいい!」という感じで、自分にあった高速データ通信(ギガ)を選んで契約・利用するプランです。
「マイピン」の料金プランは以下のようになっています。
基本 データ容量 |
デュアルタイプ (音声+データ通信) |
シングルタイプ (データ通信) |
---|---|---|
1GBプラン | 1,298円/月 | 880円/月 |
5GBプラン | 1,518円/月 | 1,265円/月 |
10GBプラン | 1,958円/月 | 1,705円/月 |
20GBプラン | 2,178円/月 | 1,925円/月 |
基本データ容量を使い切っても「低速通信200Kbps」
「マイピタ」では毎月使いたいデータ容量を決めて契約するプランです。
契約したプランのデータ容量(高速通信)を使い切ってしまった場合には「低速通信」に速度制限され、この場合の通信速度は200Kbpsになります。
逆に契約プランに対して使い切れなかった(余った)データ容量は翌月末まで繰り越して無駄なく使うことができる仕組みになっています。
アプリ「mineoスイッチ」で高速・低速を切り替え可能
「マイピタ」では契約プランのデータ容量を使い切ってしまうと低速通信200Kbpsに速度制限されてしまします。
また、データ容量を使い切らないでもアプリ「mineoスイッチ」を使っていつでも「高速通信・低速通信の切り替え」が可能です。
そして低速通信を利用している場合は高速データ容量は消費されません(減りません)。
この機能を利用して「低速通信と高速通信を手動で切り替え」ができ、この機能を使って高速データ容量(ギガ)を節約することができます。
【新プラン】低速通信・無制限プラン「マイそく」
一方で「マイそく」は2022年3月から提供開始された新しいプラン体系で、ざっくり言えば「低速通信使い放題のプラン」と言えます。
「マイそく」は月間の高速データ通信容量という考え方がなく「データ通信無制限」となりますがその通信速度はコースによって決まり以下のようになっています。
プラン | 通信速度 | デュアルタイプ (音声通話+データ通信) |
シングルタイプ (データ通信) |
---|---|---|---|
ライトプラン ※2022/8下旬提供開始 |
0.3Mbps | 660円/月 | |
スタンダードプラン | 1.5Mbps | 990円/月 | |
プレミアムプラン | 3.0Mbps | 2,200円/月 |
このように「毎月高速データ通信をどれくらい使いたいか?」というマイピタと違い「どれくらいの通信速度でデータ通信を使いたいか?」というプランが「マイそく」になります。
「結構使える低速通信」が使い放題
このように「マイそく」は通信速度で選ぶプランであり、「マイピタ」のような一般的な「データ通信量で選ぶプラン」とは使い方(考え方)が異なります。
「毎月どれくらい通信するか?」の従量制プラン(マイピタ)と違い、「マイそく」は「どれくらいの速度で通信したいか?」で選びます。
基準は1.5Mbps「スタンダードプラン」
基準となるのは「低速通信1.5Mbps使い放題」のスタンダードプラン(990円/月)です。
月額990円で音声通話もデータ通信も使えます。
通信速度1.5Mbpsは「標準画質の動画をスマホで見れる」程度の速度になります。
「スマホで動画をたまに見る程度」という方にお勧めのプランになります。
結構すごい3.0Mbps「プレミアム」
月額2,200円/月のプラミアムプランなら低速通信3.0Mbps使い放題となります。
通信速度3.0MbpsとなればADSLの通信速度程度でもあり、スマホだけでなくパソコンなどで使った場合でも結構使える通信速度と言えます。
1.5Mbpsのスタンダードプランよりも動画をより快適に見たい、という方向けのプランです。
とことん安く300Kbps「ライトプラン」
2022年8月下旬より通信速度300Kbps使い放題の「ライトプラン」が提供開始となります。
音声通話もデータ通信も月額660円/月で使い放題です。
通信速度300Kbpsでは動画を見るのは厳しいですが、ウェブ閲覧やメール・LINEの利用くらいという方向けのプランになります。
最大の注意点「お昼は32Kbps」
上記のように「マイそく」は通信速度でプランを選ぶことになります。
例えば「通信速度3Mbps」もあれば大抵のことはできてしまうので「プレミアムプラン(2,200円/月)」を契約するのも良いでしょう。
ただし、最大の注意点として「マイそくは平日(月~金)昼間(12:00~13:00)の通信速度は32Kbps」という点です。
お昼の12:00~13:00は全国でもっとも通信が混雑(利用が多い)時間帯であり、「マイそく」はこの時間帯の通信速度を超低速にする代わりに他の時間帯では使い放題にする、という考え方のプランです。
お昼休みにコンビニでQRコード決済アプリが開けるのか?という点が最大の問題点でしょうか・・・
なお「土・日は速度制限対象外」「休日・祝日でも月~金は速度制限対象」という点も注意点です。
一方で音声通話についてはデータ通信速度に依存しない仕組みであり、時間帯を問わず通常の音声通話(発信・着信)が可能です。
低速通信でも本当は無制限にならない
「マイそく」はホームページでは「使い放題」と表記されていますが、実際には速度制限ルールがありさらなる低速化の条件があります。
契約プランの通信速度(300Kbps/1.5Mbps/3.0Mbps)での通信料が「3日で10GBを超過した場合」には速度制限がかかり「通信速度32Kbps」となります。
「低速通信32Kbps」になるともはやYahoo!JAPANのトップページも開けないほどの速度であり、「メール送信・受信」「LINE待ち受け」程度しかできない速度です。
「通信の最適化」が強制適用
マイネオ(mineo)ではデータ通信量を削減する仕組みとして「通信の最適化」という仕組みをオプション提供しています。
データ通信中の画像データ(写真など)や動画データを圧縮することでデータ量を小さくする、という機能ですが「圧縮する=劣化する」という結果になります。
クラウドにアップロードした写真をマイネオ(mineo)の「通信の最適化」を適用した通信で見ると元の(オリジナルの)写真よりも劣化した写真を見ることになる、という結果になります。
つまり「データ通信量を小さくする」というメリットと引き換えに「写真・動画が劣化する」という仕組み、ということです。
この「通信の最適化」はマイネオ(mineo)利用者が個別に「オン(適用)・オフ(非適用)」を選ぶことができ、契約時の初期値は「オフ(通信の最適化は行わない)」という設定になっています。
しかし「マイそく」プラン契約においては「オン(通信の最適化を適用)」が必須(オフにできない)、ということになります。
これも注意点(留意点)となります。
高速通信「24時間データ使い放題」が使える
「マイぴた」は低速通信を基本としたプランですが「24時間データ使い放題(330円/24時間)」をオプション利用することができます。
「24時間データ使い放題(330円/24時間)」をオプション追加すると即時高速通信が24時間利用できるようになります。
「24時間データ使い放題」は「マイそく」の契約通信速度に関係なく通常(マイピタ相当)のデータ通信速度での通信ができます。
また「24時間データ使い放題」の適用時間中は「平日お昼は32Kbps」「3日で10GB超過時は32Kbps」の状態でも高速通信を利用することができます。
さらに「3日で10GB超過時は32Kbps」の速度制限適用中であっても高速通信を利用することができます。
月単位でプラン変更可能
このようにマイネオ(mineo)に限らず通常のスマホ料金プランは自分が毎月使いたいデータ容量を基準にプランを選んでいました。
マイネオ(mineo)で言えば、それが従来からの料金プラン「マイピタ」になります。
「マイそく」は「使いたい高速データ容量」ではなく「使いたい通信速度」を基準にプランを選ぶ新しい料金プランと言えます。
マイネオ(mineo)ではこの「マイピタ」プランと「マイそく」プランの間のプラン変更は月単位で可能です。
「マイピタ」と「マイそく」の違い
従来からのプラン「マイピタ」は通信サービスの中では一般的な「毎月必要な高速データ通信量(ギガ)はどれくらいですか?」で決まる料金プランです。
これに対して新しい料金プラン「マイそく」は「通信速度は遅いです」を前提として「どの程度の通信速度が必要ですか?」で決まる料金プランです。
大手キャリアの格安プラン(ahamo・LINEMO・povoなど)でも使いすぎの場合に速度制限された場合には1Mbpsに速度制限されますが、ネット上では「1Mbpsでも結構使えるじゃん!」と割と好評です。
だったら「低速1.5Mbpsだけのプランじゃどうなの?」というプランが「マイそく」ということになります。
さらに高速「3.0Mbpsのプレミアムプラン」もあります。
考え方の違い
従来プラン「マイピタ」と新プラン「マイそく」はプラン設計の考え方が違います。
従来プラン「マイピタ」は毎月必要な高速通信データ量がどれくらい?で決まるプランです。
新プラン「マイそく」は「低速通信しか使えません」「どれくらいの速度があればよいですか?」で決まるプランです。
仕組みの違い
従来プラン「マイピタ」には「低速通信(200Kbps)」と「高速通信」があり、アプリ「mineoスイッチ」でいつでも自由に切り替えて使うことができます。
低速通信利用時には高速通信ギガは消費されないため、低速通信の使い方を工夫することで高速通信ギガを節約することができる仕組みです。
新プラン「マイそく」の基本的な仕組みは「低速通信のみ」「低速通信300Kbps/1.5Mbps/3.0Mbps」という仕組みであり、言い換えると「高速ギガ(パケット)を持っていても使えない(高速通信できない)」という仕組みです。
よってパケット(ギガ)を持つことは可能ですがデータ通信として利用する(高速通信を行う)ことができません。
アプリ「mineoスイッチ」による「低速通信・高速通信の切り替え」もできない、ということになります。
低速・無制限プラン「マイそく」
従来の「毎月必要なデータ通信容量(ギガ)で選ぶ」ではなく「必要なデータ通信速度で選ぶ」という新しいプランの選び方が「マイそく」です。
では「マイそく」プランを詳しく見ていきましょう。
「マイそく」は必要な通信速度でプランを選ぶので、選べる通信速度(プラン)は以下のようになります。
プラン | 通信速度 | デュアルタイプ (音声通話+データ通信) |
シングルタイプ (データ通信) |
---|---|---|---|
ライトプラン ※2022/8下旬提供開始 |
0.3Mbps | 660円/月 | |
スタンダードプラン | 1.5Mbps | 990円/月 | |
プレミアムプラン | 3.0Mbps | 2,200円/月 |
この時点でわかるのは「音声通話+データ通信」コースも「データ通信のみ」コースも月額料金は同じ、ということです。
ドコモ・au・ソフトバンクの回線が選べる
マイネオ(mineo)はドコモ・au・ソフトバンクの回線を選ぶことができるトリプルキャリアです(料金も同じ)。
これは「マイそく」でも同様で、契約時にはドコモ・au・ソフトバンクから回線を選ぶことができます。
5Gオプション(無料)も選べる
ドコモ・au・ソフトバンクのどの回線を選んでも「5G通信オプション(無料)」を申し込むことができます(初期値は5Gオプションなし)。
5Gオプションは月額料金無料なので「無料なら申し込んでおこう!」と思うかもしれませんが、注意が必要です。
ドコモ回線で5G使うとどうなる?
ドコモは「3G(FOMA)」「4G(Xi)」および「5G」の通信サービスを提供しています。
そして契約SIMにより使える電波は以下のようになります。
4G契約 | 4G(LTE)通信 3G(FOMA)通信 |
---|---|
5G契約 ※5Gオプション契約 |
5G通信 4G(LTE)通信 |
つまり5Gオプションを追加すると山間部・海上などの3G(FOMA)が得意とする場所での通話・通信ができなくなります。
また、現時点でドコモのデータ通信専用SIM(シングルタイプに該当)はSMSを3G回線を利用しますが、5Gオプションを追加するとデータ通信専用SIM(シングルタイプに該当)ではSMS送受信ができなくなります。
- デュアルタイプだと3G(FOMA)通信ができなくなる
⇒ 3G(FOMA)が得意な山間部・海上での利用が心配 - シングルタイプだとSMS送受信ができなくなる
⇒ デュアルタイプなら5G通信でSMS送受信可能
そもそもが「マイそく」は低速通信(0.3Mbps/1.5Mbps/3.0Mbps)での利用前提であり、5G通信による高速通信を楽しむためのサービスではありません。
このことから、「マイそく」を契約する場合には5Gオプションはつける意味がない(デメリットが大きい)と思います。
デュアルタイプもシングルタイプも同じ月額料金
「マイそく」ではデュアルタイプ(音声通話+データ通信)もシングルタイプ(データ通信のみ)も同じ月額料金に設定されています。
なのでデータ通信のみでの利用を予定されている方でもデュアルタイプ(音声通話+データ通信)での契約がおすすめかもしれません。
「シングルタイプ」のSMSは別途有料
「マイそく」ではデュアルタイプ(音声通話+データ通信)での契約がおすすめです。
その理由は「デュアルタイプもシングルタイプも同じ月額料金」であることに加え「シングルタイプのSMSは別途追加料金」だからです(au回線を除く)。
まず「デュアルタイプ(音声通話+データ通信)」ではSMS機能は標準装備です。
「シングルタイプ(データ通信のみ)」の場合にはSMSは別途有料(132円/月)オプションとなります(au回線を除く)。
つまり「デュアルタイプ」も「シングルタイプ」も同じ月額料金なのですが「シングルタイプ」にSMS機能を付けるとデュアルタイプより高くなる、という現象が発生します。
プラン | 通信速度 | 回線タイプ | シングルタイプ | デュアルタイプ | |
---|---|---|---|---|---|
SMSなし | SMSあり | ||||
ライトプラン | 300Kbps | ドコモ回線 ソフトバンク回線 |
660円/月 | 792円/月 | 660円/月 |
au回線 | – | 660円/月 | |||
スタンダードプラン | 1.5Mbps | ドコモ回線 ソフトバンク回線 |
990円/月 | 1,122円/月 | 990円/月 |
au回線 | – | 990円/月 | |||
プレミアムプラン | 3.0Mbps | ドコモ回線 ソフトバンク回線 |
2,200円/月 | 2,332円/月 | 2,200円/月 |
au回線 | – | 2,200円/月 |
ドコモ・ソフトバンク回線はSMS別途有料
上記の表からわかるようにシングルタイプ(データ通信専用SIM)についてはドコモ回線・ソフトバンク回線はSMS機能は別途有料(132円/月)オプションとなります。
デュアルタイプ(音声通話+データ通信)ではSMSは標準装備となります。
au回線の場合はシングルタイプでもSMS標準装備となり、その分(132円/月)安くなります。
つまり「シングルタイプのドコモ回線・ソフトバンク回線はSMSオプションをつけるとデュアルタイプより高くなる」という現象が発生します。
ユニバーサルサービス料の課金
通信サービスには一律で「ユニバーサルサービス料」が課金されます。
ユニバーサルサービス料は現在(2022年)で月額2.2円/月となっています。
「データ通信専用SIM(シングルプラン)のSMS機能なし」の場合にはユニバーサルサービス料は課金されません。
また、同様の負担金として「電話リレーサービス料(1.1円/月)」がありますが、これもSMS機能なしのサービスには課金されません。
通信機能 | ユニバーサルサービス料 | 電話リレーサービス料 |
---|---|---|
音声通話機能 SMS機能 |
負担あり | 負担あり |
データ通信機能(SMS機能なし) | 負担なし | 負担なし |
契約時に本人確認資料が必要
また、音声通話やSMS機能のサービスを契約する場合には本人確認資料の提出が必要です。
データ通信のみ(SMSなし)の場合、本人確認資料の提出は不要です。
マイネオ(mineo)での契約時に本人確認資料が必要・不要は以下のようになっています。
提出必要あり | 音声通話機能契約者(デュアルタイプ) SMS機能契約者(シングルタイプSMS機能あり) 端末分割での購入者 |
---|---|
提出不要 | データ通信機能のみの契約者(シングルタイプSMS機能なし) |
「マイそく」では「デュアルタイプ」契約がおすすめ
このように「マイそく」では音声通話を使わなくてもSMSを使うならデュアルタイプでの契約がおすすめです。
ただし月額基本料金の観点からは「デュアルタイプがおすすめ」となりますが、注意点もあります。
選べる通信速度は「0.3Mbps/1.5Mbps/3.0Mbps」
「マイそく」で選べる通信速度は「0.3Mbps(300Kbps)/1.5Mbps/3.0Mbps」の3種類です。
ただしこの通信速度は理論値であり、通信の混雑状況により通信速度は変化します(多くの場合は低下する)。
プラン | 通信速度 | デュアルタイプ (音声通話+データ通信) |
シングルタイプ (データ通信) |
---|---|---|---|
ライトプラン ※2022/8下旬提供開始 |
0.3Mbps | 660円/月 | |
スタンダードプラン | 1.5Mbps | 990円/月 | |
プレミアムプラン | 3.0Mbps | 2,200円/月 |
※ライトプラン(300Kbps)は2022年8月下旬より提供開始予定
スマホではメールの送受信やLINEのやり取りしかしない、という方はライトプランを選ぶとよいでしょう。
たまにスマホで動画(標準画質)を見る、という方はスタンダードプランを選ぶとよいでしょう。
より快適にきれいな動画を見たい、という方はプレミアムプランを選ぶとよいでしょう。
「マイそく」のプランは月単位で変更が可能なので、まずはスタンダードプラン(990円/月)で申し込んでみて一か月間様子を見る、という使い方をおすすめします。
知っておくべき「マイそく」の速度制限
「マイそく」はホームページ上で「低速通信・使い放題」とうたっていますが、実は結構厳しい速度制限ルールがあります。
逆に言えば厳しいルールの上に(低速であっても)使い放題ができる仕組み、とも言えます。
平日昼間(12時~13時)は通信速度32Kbps
まず「マイそく」のどのプランを選んでも平日昼間(12時~13時)の通信速度は32Kbpsとなります。
土・日は12時~13時でも速度制限はありませんが月曜~金曜であれば祝日であっても速度制限ルールが適用されます。
この「平日12時~13時」は通信が最も混雑する時間帯であり、「マイそく」はこの時間帯を遅くする代わりにそれ以外の時間帯ではそこそこの速度で使い放題、という仕組みになっています。
では32Kbpsで何ができるのか?というと、メールの送受信程度だと考えてください。
32KbpsではYahoo!JAPANのトップページも開けませんし、LINE通話も音声が途切れ途切れになります。
なお、デュアルタイプ(音声通話+データ通信)でご契約の場合の音声通話については通信速度の制限による影響はありません(普通に使えます)。
QRコード決済などは使えるのか?
平日お昼にデータ通信を利用しない、というのは良いとして、お昼休みにコンビニでの買い物などはできるのでしょうか?
PayPayやau Payなどのスマホキャッシュレスサービスをご利用の場合、レジでの決済時にアプリを起動してQRコードを表示する必要があります。
通信速度32Kbpsではこの「アプリでQRコードを開く」ということをサクッと行うことはできません。
ただしPayPayだと20秒ほどかければアプリを起動してコードを表示することができます。
つまり「マイそく」利用の場合のお昼のコンビニ決済時はレジ待ちの時にアプリを起動して事前に支払い準備をしておく、などの工夫が必要です。
「3日で10GB以上の通信で速度制限32Kbps」となる
「マイそく」が「低速でも使い放題」ではない、という意味は「3日で10GBの通信量を超過した場合、通信速度32Kbpsに制限」という厳しいルールがあります。
よって「マイそく」はホームページに記載されているような「低速通信で使い放題」ではありません。
前日までの3日間でのデータ通信料が10GBを超過した場合に、当日1日(終日)速度制限が適用され、日が変わると(0時を過ぎると)順次制限解除、という速度制限の運用になっています。
データ通信オプション「24時間データ使い放題(330円/24時間)」
普段使いは低速通信で十分だとして「マイそく」を契約したとしても、たまには高速通信を快適に利用したいときもあります。
こんな時に便利なオプションが「24時間データ使い放題(330円/24時間)」です。
330円のオプション料金を支払うことで、オプション追加時点(ほぼリアルタイム)から24時間はマイネオ(mineo)の通常の速度でのデータ通信が利用できるオプションです。
このオプションは「平日12~13時の速度制限32Kbps」期間中も「3日で10GB超過時の速度制限32Kbps」期間中も「24時間データ使い放題」が優先されます。
また、当然ながら「24時間データ使い放題」利用中のデータ通信量は「3日で10GB超過」のデータ通信量に加算されません。
「低速通信使い放題」の「マイそく」にとって強い味方となるオプションです。
音声通話かけ放題オプション
また「マイそく」の契約プランがデュアルタイプ(音声通話+データ通信)であれば、音声通話かけ放題のオプションも提供されます。
提供される音声通話オプションは以下の通りです。
通話オプション | オプション料金 (月額) |
特徴 |
---|---|---|
時間無制限かけ放題 | 1,210円/月 | 国内通話が回数・時間無制限で通話料無料 |
10分かけ放題 | 550円/月 | 10分間の通話料金が無料 ※10分超過後は11円/30秒の従量課金 |
mineo電話 | 無料 | 「mineo電話」アプリ利用で通話料金が半額(11円/30秒)になる ※いわゆるプレフィクス型 |
完全無制限の「時間無制限かけ放題」
通話(発信)の回数・通話時間に関係なく国内通話料金が無料となる完全かけ放題のオプションです。
オプション料金も他社の完全かけ放題より安く設定されている点がメリットです。
専用アプリ「mineo電話」を使わずに標準電話アプリから発信した場合にもかけ放題が適用されます。
短い通話が多いなら「10分かけ放題」
通話(発信)の最初の10分間の通話料金が無料となる通話オプションです。
もし1回の通話(発信)の通話時間が10分を超過した場合は超過した時点から通話料金が従量課金されます。
ただし、10分超過後の従量課金となる通話料金は標準通話料金(22円/30秒)の半額となる「通話料金11円/30秒」となる点もお得です。
なお、後述の「mineo電話」アプリを使わなくても、標準電話アプリからの通話(発信)で適用されるオプションです。
標準サービスで通話料半額「mineo電話」
マイネオ(mineo)契約者ならだれでも使えるサービスで通話料金半額になるのが「mineo電話」アプリです。
一般的なスマホの通話料金「22円/30秒」が半額の「11円/30秒」となります。
マイネオ(mineo)で音声通話サービスをご利用の方ならアプリをインストールするだけで利用できる標準サービスです。
※「mineo電話」アプリからの発信のみが通話料金半額となり、標準電話アプリからの発信は通常料金(22円/30秒)です。
これ大事!「通信の最適化」強制適用
「マイそく」は契約により「通信の最適化が標準(強制)適用」となります。
わかる人にはわかる、と思いますが「通信の最適化」についてちょっと説明します。
「通信の最適化」とは通信データの自動圧縮
「通信の最適化」とは通信データを自動的に圧縮して通信データ量を小さく(少なく)してくれる機能です。
この機能により、利用者が使うデータ量も小さく(少なく)なるし、マイネオ(mineo)の通信設備も余裕が生まれます。
よって「良いことだらけの機能」と見ることもできる機能です。
「圧縮」すると「劣化」する
一見良い機能と思える「通信の最適化」ですが、困ることもあります。
「通信データを圧縮する」というのは大きく分けると2つの意味があります。
まず一つ目はウェブ閲覧などの場合に不要なHTML部分を削除してくれる、という点です。
たとえばHTMLソースのコメント部分などであり、これは利用者にとっても非常に良いことです。
面倒なのは二つ目で「動画・画像の圧縮は劣化である」という点です。
「通信の最適化」が適用されると利用者に違和感のない程度に動画や画像データが圧縮(間引き=劣化)されます。
たとえばクラウド上に家族写真をアップロードしており、それを「マイそく」でダウンロードした場合、ダウンロードした家族写真はオリジナルの画像データよりも劣化している(解像度が落ちている)ということになります。
動画についても同じで解像度が落ちます。
もちろん、解像度が落ちる(劣化する)と言っても「パット見た感じ」ではわからない程度ではあります。
「通信の最適化」は良いの?悪いの?
「通信の最適化」は良い面と悪い面があります。
「良い点」としてはこんな感じで、悪くない機能です。
- データ通信料が少なくなるのでみんなハッピー
- 無駄なHTML部分などが削除されることで表示が速くなる
一方、デメリットとしては以下の感じです。
- 大切な写真・動画がオリジナルより劣化する
要は使い方の問題です。
大切な家族写真が劣化する、と言っても、日常的に写真を見る程度なら劣化していても問題ないでしょうが、それをオリジナルデータだとすると劣化するのはちょっとためらいます。
つまり「通信の最適化」の仕組みを理解したうえで使い分けてください、ということになります。
注意点!「マイそく」では使えないマイネオ(mineo)のサービス
マイネオ(mineo)の従来からの特徴として「低速通信を工夫して使うことで高速通信ギガを節安する仕組みが豊富」という特徴があります。
毎月のデータ通信容量(高速ギガ)を消費しない低速通信をうまく使うことで、高速ギガを節約することができて結果として安い(ギガの少ない)プランでも使える、という特徴です。
「マイそく」はこのような高速通信と低速通信を使い分けるサービスではなく、どれくらいの低速通信で使うか?というプランです。
なので「毎月のデータ通信容量」という概念がありません。
Q① 「マイそく」のプラン変更はできますか?
「マイそく」内でのプラン変更は月単位で可能です。
プラン変更の締め日は毎月25日なので25日以降の変更手続きは翌々月からの適用となる点に注意してください。
SIMカード交換を伴わないプラン変更については手数料無料で変更できます。
SIM交換が必要なプラン変更
以下のような変更を伴うプラン変更ではSIMカードの交換が必要となり、事務手数料が発生します。
- 回線(ドコモ・au・ソフトバンク間)の変更
- シングルタイプ・デュアルタイプ間の変更
- 「SMSあり/なし」間の変更
事務手数料等は以下のようになります。
プラン変更 ドコモ・au・SB間の変更 |
事務手数料3,000円 SIMカード発行手数料440円 |
---|---|
タイプ変更 シングル⇒デュアル間の変更 |
事務手数料無料 SIMカード発行手数料440円 |
タイプ変更 デュアル⇒シングル間の変更 |
事務手数料3,300円 SIMカード発行手数料440円 |
コース変更 通信速度の変更 |
SIMカード変更不要 |
SMSオプション変更 SMSあり・なし間の変更 |
事務手数料3,300円 SIMカード発行手数料440円 ※au回線の場合は「あり」のみなので変更不可 |
SMSオプション変更 SMSあり・なし間の変更 |
事務手数料3,300円 SIMカード発行手数料440円 ※au回線の場合は「あり」のみなので変更不可 |
Q② 「マイピタ」とのプラン変更はできますか?
「マイピタ」と「マイそく」の間のプラン変更も月単位で可能です。
こちらもプラン変更の締め日は毎月25日となります。
「マイピタ」と「マイそく」間のプラン変更でSIMカード交換が不要の場合にはプラン変更手数料は不要です。
SIMカード交換が発生するプラン変更
プラン変更によりSIMカード交換が必要となる場合があります。
以下のような変更を伴うプラン変更ではSIMカードの交換が必要となり、事務手数料が発生します。
- 回線(ドコモ・au・ソフトバンク間)の変更
- シングルタイプ・デュアルタイプ間の変更
- 「SMSあり/なし」間の変更
事務手数料等は以下のようになります。
プラン変更 ドコモ・au・SB間の変更 |
事務手数料3,000円 SIMカード発行手数料440円 |
---|---|
タイプ変更 シングル⇒デュアル間の変更 |
事務手数料無料 SIMカード発行手数料440円 |
タイプ変更 デュアル⇒シングル間の変更 |
事務手数料3,300円 SIMカード発行手数料440円 |
コース変更 通信速度の変更 |
SIMカード変更不要 |
SMSオプション変更 SMSあり・なし間の変更 |
事務手数料3,300円 SIMカード発行手数料440円 ※au回線の場合は「あり」のみなので変更不可 |
SMSオプション変更 SMSあり・なし間の変更 |
事務手数料3,300円 SIMカード発行手数料440円 ※au回線の場合は「あり」のみなので変更不可 |
Q③ 「マイピタ」から「マイそく」へ変更時に持っていたパケットはどうなりますか?
「マイピタ」から「マイそく」へプラン変更しても持っているパケットが消滅することはありません。
通常通り「付与された翌月末まで有効」となり、有効期限が来るとパケットは消滅します。
「マイそく」契約中であっても「パケットギフト」や「パスケット」などのサービスは利用可能で、パケットの有効期限を延ばす(繰り越し)ことは可能です。
「マイそく」では「パケットを使った高速通信はできない」という仕組みが基本です。
パケットギフトは使える?
パケットギフトは家族・友人・知人(だれとでも)とパケットを贈ったり貰ったりできるサービスです。
「マイそく」契約中でもパケットギフトを使ってパケットを家族・知人とやり取りすることは可能です。
また、パケットギフトを活用することで手持ちのパケットを毎月繰り越していくことも可能です。
パスケットは使える?
パスケットは月額110円のオプションで、手持ちのパケットを自動的に繰り越してくれるオプションです。
これにより、毎月月末まで有効期限のパケットが自動的・無期限に繰り越されてパケットが貯まっていきます(最大10PBペタバイト)。
「マイそく」契約中でもパスケットのオプション契約があれば手持ちのパケットは自動繰り越しされます。
パケットシェアは利用できる?
パケットシェアは最大10回線のグループ内で繰り越し分のパケットをシェア(共有)して分け合えるサービスです。
「マイそく」契約中でもパケットシェアのメンバーとして存在し続けることはできます。
ただしシェアするパケットを使っての高速通信はできません。
Q④ マイネ王のサービスは利用できますか?
「マイそく」契約中でも以下のようなマイネ王のサービスは利用できます。
- フリータンク
- チップ
- 王国コイン
- おみくじ
つまり「マイそく」契約中でも「マイピタ」とほぼ同様のサービスが利用できます。
「マイそく」で利用できないマイネ王のサービス
大前提として「マイそくはパケットを使った高速通信はできない」という点です。
マイネオ(mineo)の標準サービスおよびマイネ王内において「マイピタ」同様のパケットを使ったサービスは利用できますが、手持ちのパケットを使った高速通信はできない、ということです。
よって、以下のサービスは利用できません。
- 「ゆずるね。」への参加
- 「夜間フリー」の利用
- 「プレミアム1Dayパス」の利用
「マイそく」まとめ
「マイそく」はマイネオ(mineo)の従来プラン「マイピタ」および一般的な通信サービスのように「高速通信がどれくらい必要?」というプランではありません。
「マイそく」は「どの程度の通信速度なら使える?」という低速通信速度で選ぶプランで、新しいプラン選びだと言えます。
おすすめは「スタンダードプラン1.5Mbps」
「マイそく」の料金プランは以下のようになっており、低速通信速度により月額料金が決まります。
プラン | 通信速度 | デュアルタイプ (音声通話+データ通信) |
シングルタイプ (データ通信) |
---|---|---|---|
ライトプラン ※2022/8下旬提供開始 |
0.3Mbps | 660円/月 | |
スタンダードプラン | 1.5Mbps | 990円/月 | |
プレミアムプラン | 3.0Mbps | 2,200円/月 |
ライトプランはメール・LINE程度しか使わない、という方におすすめです。
スタンダードプランは標準画質程度の動画を1日に3時間程度は見るかな?という方におすすめです。
プレミアムプランはスタンダードプランよりももっと高画質で動画を見たい、という方におすすめです。
まずは標準的な「通信速度1.5Mbpsのスタンダードプラン」で契約してみて、速度が足りなければ翌月以降見直す、という契約の仕方がおすすめです。
デュアルタイプ(音声+データ通信)契約がおすすめ
「マイそく」ではデュアルタイプ(音声通話+データ通信)もシングルタイプ(データ通信)も同じ月額料金に設定されています。
さらにシングルタイプ(データ通信)であってもSMS機能を付けると132円/月の追加料金となり、この時点でデュアルタイプ(音声通話+データ通信)のほうが安くなります。
よって「マイそく」を契約する場合にはデュアルタイプ(音声+データ通信)での契約がおすすめです。
「3日で10GB」は最大限に注意して使おう
「マイそく」は平日昼間(12時~13時)の通信速度は32Kbpsとなり、ほぼ使い物になりません。
また、「3日で10GB以上のデータ通信」により速度制限がかかり通信速度32Kbpsとなります。
「マイそく」契約中は手持ちのパケットがあっても高速通信を利用できません。
速度制限時の唯一の逃げ道は「24時間データ使い放題(330円/24時間)」となります。
よって、慣れるまでは日々毎日のデータ通信量をチェックして「3日で10GB」を超過しないよう、最大限の注意が必要です。