UQモバイルが2021年9月2日よりeSIMに対応しました。
eSIMは物理的なSIMカードを利用せず、eSIM対応スマホにデジタルプロファイルをダウンロードすることで通信機能を利用できる仕組みです。
最大のメリットとしては通信サービス契約後に物理SIMカードの到着を待たずに、即プロファイルダウンロードにより通信サービスを利用開始できる点にあります。
UQモバイルが提供するeSIMサービス概要
eSIMだと何ができる?
eSIMは物理的なSIMカードと役目は同じですが、eSIM対応スマホに内蔵されたSIM領域に契約情報プロファイルをダウンロードすることで通信サービスを利用できるようになる仕組みです。
役目は物理SIMカードと同じなのですが、eSIMを使えば以下のようなサービス利用ができるようになります。
- eSIM対応のiPhoneで2回線利用できる(DSDV)
- 通信サービスの即時利用ができる(契約、即利用)
eSIM対応のiPhoneで2回線利用できる(DSDV)
1台のスマホで2回線の通信サービスを利用できる仕組みがDSDV(Dual SIM/Dual VoLTE)です。
1台のスマホで仕事用のSIMカードと個人用のSIMカードを入れて2回線使う、などの使い方ができます。
通常のDSDV対応スマホは2枚のSIMカードが使える仕組みになっていますが、iPhoneシリーズなどは「1枚のSIMカードと1つのeSIMプロファイル」によりDSDVを実現しています。
通信サービスの即時利用ができる(契約、即利用)
eSIMは物理SIMカードと違ってeSIM対応スマホにプロファイルをダウンロードすることで通信サービスを利用可能となります。
そのため、通信サービスを契約してから物理SIMカードが配達されてくるまで待つ必要がありません。
UQモバイルでは新規契約時にeSIMで申し込むことができ、eSIM申し込みの場合には「eKYC(即時本人確認システム)」により申し込み時に本人確認が完了します。
つまり、申し込み時点で本人確認が完了、即eSIMプロファイルをダウンロード可能、という流れとなり、契約完了で即通信サービスの利用が可能となります。
対応プランは「くりこしプラン+5G」
UQモバイルでは2021年9月2日よりeSIMによる通信サービスの提供を開始しました。
UQモバイルは過去に何度も料金プランの改定を行っており、多くの料金プランが存在しますが、eSIMを利用できるのは2021年9月2日より新規受付を開始した新料金プラン「くりこしプラン+5G」のみとなります。
従来プラン「くりこしプラン」や旧プラン「スマホプラン」「ぴったりプラン」「おしゃべりプラン」などの料金プランではeSIMを利用することはできません。
新規申し込みでは物理SIMカードかeSIMを選べる
これからUQモバイルを申し込む場合には料金プランは「くりこしプラン+5G」となります。
「くりこしプラン+5G」では申し込み時に物理SIMカードでの申込かeSIMによる申込かを選ぶことができます。
eSIMによる申し込みの場合には本人確認が即時本人確認システム「eKYC」となり契約手続きの中で本人確認が完了し、手続き完了後に即eSIMプロファイルをダウンロードできるようになります。
つまり、物理SIMカードの配達を待つことなく、「契約完了、即通信サービス利用」が可能となります。
既存利用者は「くりこしプラン+5G」へのプラン変更が必要
一方、現在すでにUQモバイルをご利用の方がeSIMを利用したい場合、まずは対応プランである「くりこしプラン+5G」へプラン変更する必要があります。
2021年9月時点では旧プランから「くりこしプラン+5G」へプラン変更する場合にはSIMカードの交換が必要です(交換手数料は無料)。
この手続きによりいったん「くりこしプラン+5G」へプラン変更(物理SIMカード)したうえで、会員サイト「my UQmobile」にてeSIM発行手続きを行います。
対応スマホはiPhoneシリーズのみ(当面)
eSIMサービス開始時点の2021年9月2日時点では、UQモバイルのeSIMに対応したスマホは以下のiPhoneシリーズのみとなります。
モデル | UQ版 | au版 | SIMフリー版 |
---|---|---|---|
iPhone12 mini | 〇 | 〇 | 〇 |
iPhone12 | 〇 | 〇 | 〇 |
iPhone11 | 〇 | 〇 | 〇 |
iPhone SE(第二世代) | 〇 | 〇 | 〇 |
ドコモやソフトバンクで購入した上記機種の場合はSIMロックを解除することで「SIMフリー版」同等となるため、SIMロック解除することでUQモバイルのeSIMを利用できるようになります。
たとえば、物理SIMカードでドコモのギガホプレミアなどを利用しながら2回線目としてUQモバイル「くりこしプラン+5G」を利用する場合にはSIMロック解除が必要、ということです。
eSIM発行・再発行は手数料無料
すでにUQモバイルでの契約がある場合、「くりこしプラン+5G」であれば手数料無料でeSIM発行することができます。
契約プランが「くりこしプラン+5G」でない場合にはeSIMを利用することはできません。
旧プラン(くりこしプランやスマホプランなど)をご利用の方が「くりこしプラン+5G」へプラン変更することで、eSIM発行することができます。
この場合、すでに本人確認は終了しているため、手続き直後にeSIMプロファイルをダウンロード可能、即通信サービスを利用可能となります。
eSIM発行・再発行手数料 | |
---|---|
my UQ mobile | 手数料無料 |
店舗 | 手数料2,200円 |
eSIMから物理SIMカードへは手数料が必要
eSIMをご利用の方が物理SIMカードへ変更する場合には店舗での手続きおよびSIMカード発行手数料が必要となります。
オンラインショップではeSIMから物理SIMカードへの変更手続きを受け付けていません。
eSIMから物理SIMカードへの変更手数料 | |
---|---|
my UQ mobile | 手続き不可 |
店舗 | 手数料2,200円 |
eSIM対応プラン「くりこしプラン+5G」
「くりこしプラン+5G」のプラン内容と変更点
新プラン「くりこしプラン+5G」のプラン内容は以下のようになり、旧プラン「くりこしプラン」とほぼ同じです。
変更点は赤字で示してあります。
くりこしプラン+5G | ||||
---|---|---|---|---|
S | M | L | ||
月額基本料金 | 1,628円 | 2,728円 | 3,828円 | |
データ通信 | 通信サービス | au 4G LTE通信/au 5G通信 | ||
高速データ通信容量 (ギガ) |
3GB | 15GB | 25GB | |
低速通信 | 300Kbps | 1Mbps | ||
アプリで「高速通信・低速通信」の切替自由自在 低速通信は使い放題 |
||||
増量オプションⅡ | 月額550円でギガ増量 ※キャンぺーンで1年間無料 |
|||
+2GB/月増量 | +5GB/月増量 | |||
増量後5GB/月 | 増量後20GB/月 | 増量後30GB/月 | ||
余ったギガの繰り越し | 基本データ容量は翌月末まで繰り越して使える 追加チャージ分はチャージから90日間有効 |
|||
海外サービス | 国際ローミングサービス ・世界データ定額 |
|||
音声通話 | 標準通話料金 | 22円/30秒 ※無料通話は別途オプション | ||
無料通話オプション |
|
|||
海外サービス | 国際ローミングサービス ・音声通話 ・SMS |
|||
割引サービス | 自宅セット割 ・でんきコース ・ネットコース |
638円/月割引 | 858円/月の割引 | |
契約形態 | 最低利用期間なし | |||
手数料 | 事務手数料 | 3,300円 | ||
契約解除料 | 無料 | |||
MNP転出手数料 | 無料 |
- au 5G通信に対応した
- 「増量オプションⅡ」が提供される
- 国際データ通信サービス「世界データ定額」対応
- 新割引サービス「自宅セット割インターネットコース」
※auスマートバリュー同等サービス
変更点① au 5G通信が利用できるようになった
新プラン「くりこしプラン+5G」ではau 5G通信が利用できるようになりました。
KDDIでは従来より「UQモバイルでは2021年夏以降に5G利用可能になる」と予告していましたが、これを実現するプランが今回の「くりこしプラン+5G」ということになります。
よって、旧プラン「くりこしプラン」は従来通り「au 4G LTE通信」のみとなります。
- 「くりこしプラン+5G」は4G/5G通信対応
- 「くりこしプラン」は4G通信のまま
変更点② 新オプション「増量オプションⅡ」が新設
「くりこしプラン+5G」専用オプションとして「増量オプションⅡ(月額550円)」が導入されました。
「増量オプション」自体は従来プランでもありましたが、「くりこしプラン+5G」では少し仕様変更されています。
「増量オプションⅡ」で増量されるデータ容量は?
「増量オプションⅡ」によって毎月増量されるデータ通信容量は以下のようになります。
くりこしプラン+5G | |||
---|---|---|---|
S | M | L | |
基本データ容量 | 3GB/月 | 15GB/月 | 25GB/月 |
基本データ容量 | +2GB/月 | +5GB/月 | |
増量後 基本データ容量 |
5GB/月 | 20GB/月 | 30GB/月 |
UQモバイルでは標準追加チャージは「500MB=550円」なので、「プラン(S)」なら2,200円相当、「プランM/L」なら5,500円相当の増量となります。
また旧プラン「くりこしプラン」での「増量オプション」ではプランSについては「1GB/月増量」だったので、「増量オプションⅡ」では増量2倍となっています。
「増量オプションⅡ」は毎月自動増量
旧オプション「増量オプション」は「追加チャージ」の仕組みを使ったギガ増量サービスでした。
自分で毎月「増量オプション」の増量分に相当するデータ容量を追加チャージし、料金確定時に「増量オプション」適用により割引されるという仕組みでした。
新「増量オプションⅡ」はそのような手間が不要となり、毎月月初に自動的に増量される仕組みとなりました。
「増量オプションⅡ」増量分も翌月繰り越し対応
旧「増量オプション」は追加チャージの仕組みを使った増量だったので、有効期限は追加チャージと同じでチャージした日から90日間有効、という仕様でした。
新「増量オプションⅡ」は基本データ容量として自動的に増量されるため、月末に余った分は基本データ容量と一緒に翌月末まで繰り越して使えます。
オプション料金は550円/月、キャンペーンで1年間無料
「増量オプションⅡ」のオプション料金は月額550円です。
キャンペーンにより「増量オプションⅡ」の初めてのオプション適用から1年間はオプション料金無料となります。
- 月額550円でギガ増量(最大5GB/月)
- 毎月月初に自動増量
※追加チャージ不要 - 基本データ容量と一緒に翌月繰り越し対応
変更点③ 海外でデータ通信が利用できるようになった
いままでUQモバイルでは海外でのローミングサービスは音声通話・SMSのみ提供されており、データ通信のローミングサービスは提供されていませんでした。
「くりこしプラン+5G」ではauの海外データ通信の定額ローミングサービス「海外データ定額」が利用可能となりました。
「世界データ定額」では海外渡航時にUQモバイルの通信サービスとして「490円/1日~980円/1日」で現地のデータ通信サービスが使い放題になる定額サービスです。
変更点④ 新割引サービス「自宅セット割インターネットコース」
「くりこしプラン+5G」向けの新しい割引サービスとして「自宅セット割インターネットコース」が新設されました。
「自宅セット割」という割引サービスがあり、その中に「でんきコース」か「インターネットコース」を選べる仕組みになっていますが、「でんきコース」は従来からの「UQでんきセット割」の名称変更となります。
自宅セット割 | でんきコース | UQでんき/auでんきへの加入によるセット割引 ※「UQでんきセット割」の名称変更 |
---|---|---|
インターネットコース | 指定固定回線とUQモバイル「くりこしプラン+5G」のセット割引 ※指定固定回線はauスマートバリュー同等 |
自宅セット割インターネットコース対象の固定回線は?
インターネットコースの割引対象となる固定回線はauひかりやauスマートポートなど、その他電力系光回線・地域CATV回線など、ほぼauスマートバリュー適用回線と同等の条件になっています。
つまり、auからUQモバイルへの乗換がやりやすくお得になった、ということです。
自宅セット割(対象となるご自宅のインターネット一覧) | UQコミュニケーションズ
割引額はどうなる?
自宅セット割インターネットコースの割引額もでんきコース(旧でんきセット割)の割引額も同じで、以下のようになります。
費用・割引 | くりこしプラン+5G | ||
---|---|---|---|
S | M | L | |
基本料金 | 1,628円/月 (3GB/月) |
2,728円/月 (15GB/月) |
3,828円/月 (25GB/月) |
自宅セット割 | 638円/月割引 | 858円/月割引 | |
適用後 月額料金 |
990円/月 | 2,090円/月 | 2,970円/月 |
割引適用は何回線まで?
割引対象となるUQモバイル「くりこしプラン+5G」の回線数は最大10回線まで、ただし固定回線がauスマートポート/auホームルーター5Gの場合は最大9回線まで、となります。
ちょっと注意点として、この割引適用回線数は「au回線とUQモバイル回線を合算した回線数」という点です。
家族でau契約とUQモバイル契約が混在する場合、au回線数とUQモバイル回線数を合算した回線数となります。
旧プラン「くりこしプラン」は割引対象外?
自宅セット割にはでんきコースとインターネットコースがあり、でんきコースは従来からの「でんきセット割」の名称変更となります。
このため、でんきコースは従来通り旧プラン「くりこしプラン」でも加入可能です。
インターネットコースは「くりこしプラン+5G」専用の割引サービスとなり、旧プラン「くりこしプラン」では加入できません。
旧プランの利用者はどうなる?
「くりこしプラン」をはじめとする旧プラン(「スマホプラン」や「ぴったりプラン」など)の契約者はそのまま今後も同プランを継続利用することができます。
また、2021年9月2日以降、新プラン「くりこしプラン+5G」へプラン変更することができます。
「くりこしプラン」「スマホプラン」は「最低利用期間なし」の契約形態なのでいつ解約してもいつプラン変更しても違約金等は発生しません。
また「ぴったりプラン」「おしゃべりプラン」などは「2年契約・自動更新あり」の契約形態なので契約更新月以外での解約には違約金が発生しますが、特例としてUQモバイルの新プランへのプラン変更では「契約更新月」に関わらずプラン変更時の違約金等不要となっています。
つまり、UQモバイル内での旧プランから新プランへのプラン変更は手数料・違約金等不要で最新プランへプラン変更できます。
- すべての旧プランから違約金不要で新プランへ変更可能
プラン変更時のSIMカードはどうなる?
なにかと面倒なau系のSIMカードですが、「くりこしプラン」利用者が「くりこしプラン+5G」へプラン変更した場合は「SIMカードの変更が必要な場合がある」となっています。
まず、サービス開始後の当面(2021年9月2日~)はかならずSIMカードの変更が必要です。
また、2021年11月以降はSIMカードの変更なしにプラン変更できる場合が増えるようです。
- プラン変更時、当面はSIMカード交換となる
- 2021年11月以降のプラン変更では不要となるかも?