WiMAX +5Gをはじめとしてソフトバンク提供の「Softbank Air」やNTTドコモ「home5G」など、工事不要ですぐに使えるホームルーターが人気です。
光回線のように工事の必要がなく、また申し込みの最短翌日には自宅のWi-Fiが使えるようになるという速さ・気軽さがウケているようです。
しかし、これらホームルーターサービスはルーターに割り当てられるIPアドレスがプライベートIPアドレスであるため、ポート開放やポートフォワーディングなどの設定ができません(設定しても機能しません)。
この仕組みにより、ホームルーターを利用する場合には「外出先から自宅へ接続できない」「VPN接続やサーバー公開ができない」など、一部の利用者には不便な機能制限ともなっています。
この記事ではホームルーターで唯一のグローバルIPアドレス(しかも固定IPアドレス)を提供しているASAHIネットWiMAX +5Gの「固定IPアドレスサービス」をご紹介していきます。
WiMAX +5Gはポート開放できない!?
WiMAX +5Gではポート開放しても意味がない
WiMAX +5Gという通信サービスは多くのプロバイダー(通信事業者)が自社ブランドでサービス提供していますが、どのプロバイダーと契約しても基本的にはルータに割り当てられるIPアドレスはプライベートIPアドレスとなります。
WiMAX +5Gルーターに限らず、ルーターに割り当てられるIPv4アドレスにはグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスがありどちらかが割り当てられます。
ルーターに割り当てられるIPv4アドレスがプライベートIPアドレスである場合、ルーターの設定として「ポート開放」「ポートフォワーディング」の設定を行っても機能しません(意味がありません)。
インターネット共通の住所「グローバルIPアドレス」
グローバルIPアドレスはインターネット上で共通のIPアドレス(住所)です。
ルーターにグローバルIPアドレスが割り当てられていればインターネット上のどこからでもルーターの場所がわかります。
このため、グローバルIPアドレスを割り当てられているルーターでは「ポート開放」「ポートフォワーディング」の設定を行うことで、インターネット上(外出先)から自宅ルーターへ接続することができます。
プロバイダー内部の住所「プライベートIPアドレス」
プライベートIPアドレスは通信サービスを提供するプロバイダーの内部でのみ適用されるIPアドレス(住所)です。
このため、プライベートIPアドレスを割り当てられたルーターはインターネット上から見るとどこにあるのか住所がわかりません。
インターネット上からプライベートIPアドレスで接続しようとしても、プロバイダーとインターネットの接続地点で迷子になってしまい、自宅ルーターまでたどり着くことができません。
プライベートIPアドレスはポート開放しても意味がない
このようにルーターに割り当てられているIPアドレスがプライベートIPアドレスである場合は、いくらルーター側で「ポート開放」「ポートフォワーディング」の設定を行っても意味がないということになります。
インターネット上(外出先)から自宅ルーターへ接続するためにはルーターに割り当てられているIPアドレスはグローバルIPアドレスである必要があります。
ポート開放できないと困ることは?
自宅ルーターに割り当てられるIPアドレスがプライベートIPアドレスの場合には外部(インターネット)から自宅ルーターへ接続することができません。
このため、例えば以下のようなことができません。
- 自宅のサーバーをインターネットに公開する
- 自宅のカメラ(ペットや赤ちゃん)を外部から見る
- 外出先から自宅へのVPN接続
- つまり「外部→自宅」への接続はできない
通常、いろんなウェブサイトを見る、動画を見るなどの自分から相手(外部)へ接続していくサービスは問題なく利用できますが、上記のように外部から自宅ルーターへ接続してきても自宅住所がわからないので迷子になってしまうわけですね。
WiMAX +5Gで唯一の固定IPアドレスサービス「ASAHIネット」
WiMAX +5Gは多くのプロバイダー(通信事業者)が自社ブランドでサービスを提供しており、それぞれのプロバイダーが独自のキャンペーンや通信サービスを提供しています。
そしてWiMAX +5Gプロバイダーの中には「グローバルIPアドレスを付与」「固定IPアドレスで付与」というサービスを提供しているプロバイダーもあります。
WiMAX +5Gのプロバイダーで固定IPアドレスによるグローバルIPアドレスを提供しているのがASAHIネットWiMAX +5Gです。
ASAHIネットWiMAX +5Gを契約することで、WiMAX +5GルーターにグローバルIPアドレスを固定で付与することができ、外出先(インターネット)から自宅のWiMAX +5Gルーターへ接続することができるようになります。
ホームルーターで唯一の「グローバル固定IPアドレス」
光回線に代わる自宅固定回線として人気が高まってきているのがホームルーターサービスです。
KDDI(au)系列のWiMAX +5G以外にもソフトバンクのSoftbank AirやNTTドコモのhome5Gなどのサービスがあり、どれも人気の通信サービスとなっています。
しかし、ホームルーターサービスに限らず光回線サービスでも最近はルーターに割り当てられるIPアドレスはプライベートIPアドレスが主流となっています。
こんな中で、ホームルーターサービスで唯一の「グローバル固定IPアドレス」でのサービスを提供しているのがASAHIネットWiMAX +5Gということになります。
ホームルーターサービスを使って、外出先(インターネット)から自宅ホームルーターへ接続したい場合にはASAHIネットWiMAX +5Gが唯一の選択肢ということになります。
ASAHIネットWiMAX +5G固定IPアドレスプラン
WiMAX +5Gで唯一の、そしてSoftbank Airやhome5Gなどのホームルーターサービスを含めても唯一の「グローバル固定IPアドレス」を提供しているのがASAHIネットWiMAX +5Gです。
工事不要のホームルーターを使いたい!外出先から自宅へ接続したい!自宅ルーターのポート開放をしたい!という場合の唯一の選択肢となります。
ASAHIネットWiMAX +5Gの料金体系と契約形態
ASAHIネットWiMAX +5Gには「ギガ放題プラス固定IPアドレスプラン」と「ギガ放題プラン」という2つの料金プランを提供しています。
両プランの違いは「ギガ放題固定IPアドレスプラン」を契約することで、グローバルIPアドレスが固定で付与される、という点になります。
もう一方の「ギガ放題プラン」を契約した場合はプライベートIPアドレスとなります。
費用項目 | ASAHIネット WiMAX +5G | 固定IPアドレス プラン |
ギガ放題プラス プラン |
---|---|---|---|
IPv4アドレス | グローバルIPv4アドレス ※固定(変動なし) |
プライベートIPv4アドレス ※変動アドレス |
|
初期費用 | 事務手数料 | 3,300円 | |
端末代金 | 27,720円 ※代金引換払い |
||
端末送料 | 440円 ※代金引換払い手数料 |
||
月額費用 | 1か月目 ※利用開始月 |
0円 ※無料 |
|
2~24か月目 | 4,928円/月 ※スタートキャンペーン適用 |
3,828円/月 | |
25~36か月目 | 4,928円/月 | ||
37か月目以降 | 6,578円/月 | 4,928円/月 | |
契約 形態 |
契約期間 | 契約期間の縛りなし | |
解約違約金 | 解約時の違約金なし |
「ギガ放題プラス固定IPアドレスプラン」も「ギガ放題プラスプラン」もルーターに付与されるIPアドレス以外に違いはありません。
月額料金はギガ放題プラス固定IPアドレスプランのほうが月額1,650円(税抜1,500円)高くなり、この分が固定IPアドレスの付加サービス料金となります。
契約中のプラン変更はできない
ギガ放題プラス固定IPアドレスプラン(固定IPアドレス)とギガ放題プラスプラン(プライベートIP)はそもそもの契約プランが異なる別プランなので、契約中にプラン変更することはできません。
もし固定IPアドレスプランをご利用中の方がプライベートIPアドレスへ変更したい場合には、いったん固定IPアドレスプランを解約してからの再契約となります。
※「固定IPアドレス」はオプションサービスではない、ということです。
ASAHIネットWiMAX +5Gでのポート開放手順
ASAHIネットWiMAX +5Gで「戯画蓬莱プラス固定IPアドレスプラン」を契約した場合には、ルーターでのポート開放設定を行うことで外出先(インターネット)から自宅のWiMAX +5Gルーターへ接続することができるようになります。
人気のホームルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」でのポートマッピング/ポート開放設定画面は以下のようになります。
ポート開放/ポートマッピングの設定内容自体は今までの自宅ルーターで設定していた内容と同じ内容で登録します。
例① マインクラフトサーバーの設定例
人気ゲーム「マインクラフト」のマルチサーバーを設置して外部公開する場合の設定は以下のようになります。
送信元ポート | 送信先IPアドレス | 送信先ポート | プロトコル | コメント |
---|---|---|---|---|
25565 | 192.168.1.11など ※マイクラサーバーの自宅IPアドレス |
– | TCP | 任意 ※「マイクラ用」など |
例② OpenVPN接続設定例
外出先から自宅のデバイス(NASなど)へOpenVPNで接続する場合のポート開放設定は以下のようになります。
送信元ポート | 送信先IPアドレス | 送信先ポート | プロトコル | コメント |
---|---|---|---|---|
1194 | 192.168.1.11など ※OpenVPNサーバー自宅IPアドレス |
– | UDP | 任意 ※「OpenVPN用」など |
例③ WireGuardによるVPN接続設定例
最近人気の「高速」「軽量」のVPNサービスがWireGuard VPNです。
ご利用の方も多いかと思います。
外出先から自宅のWireGuardサーバーへ接続する場合のWiMAX +5Gホームルーターのポート開放設定は以下のようになります。
送信元ポート | 送信先IPアドレス | 送信先ポート | プロトコル | コメント |
---|---|---|---|---|
51820 | 192.168.1.11など ※WireGuardサーバー自宅IPアドレス |
– | UDP | 任意 ※「WireGuard用」など |
ASAHIネットWiMAX +5Gのサービス
ASAHIネットWiMAX +5Gの通信サービスについて解説していきます。
固定IPアドレス利用は「固定IPアドレスプラン」を選ぶだけ
ASAHIネットWiMAX +5Gには「固定IPアドレスプラン」と「ギガ放題プラスプラン」の2つがあります。
固定IPアドレスによるグローバルIPアドレスを利用する場合には申し込み時に「固定IPアドレスプラン」を契約する必要があります。
固定IPアドレスプランで契約することで、自動的にルーターに付与されるIPアドレスはグローバルIPアドレス(固定)となるため、別途特別な手続きや設定などは必要ありません。
選べるルーターは4機種
ASAHIネットWiMAX +5Gを契約する場合にはWiMAX +5G対応のルーター購入が必須となります(通信サービスだけの契約はできません)。
購入できるルーターはホームルーター2機種、モバイルルーター2機種となります。
どれを選んでもルーター代金は27,720円ですが、支払い方法は契約後のルーター受け取り時に代金引換払いでの一括払いのみとなり、代引き手数料(440円)が加算された合計28,160円の支払いとなります。
固定IPアドレスプランではモバイルルーターを選ぶべきではない
どのルーターを選んでも契約プランに「固定IPアドレスプラン」を選ぶことができます。
しかし、本来固定IPアドレスは自宅で使う場合に利用するべきものであり、モバイルルーター利用の場合に固定IPアドレスを利用するべきではありません。
固定IPアドレスプランで付与されるのはグローバルIPアドレスであり、インターネットから常にポートスキャンなどの攻撃を受けています。
この場合、モバイルルーターの場合にはポートスキャン攻撃が行われるたびにルーターが反応してしまうことでバッテリー駆動時間が極端に短くなってしまいます。
よって、特別な理由がない限り固定IPアドレス利用はホームルーターでの利用を前提とし、モバイルルーターで固定IPアドレスを利用する場合にはバッテリーの持ち時間が短くなるという点を知っておく必要があります。
グローバル(固定)IPアドレスとプライべート(変動)アドレスのプラン変更はできない
ASAHIネットWiMAX +5Gのグローバル(固定)IPアドレスはオプションではなく契約プランです。
このため、もし契約後にグローバル(固定)IPアドレスが不要になった場合でも「オプション解除」というわけにはいかず、プランの解約から新規契約となります。
ASAHIネットWiMAX +5Gには契約縛りはない
ASAHIネットWiMAX +5Gには契約期間の定めがありません(縛りがない、ということ)。
このため、いつ解約しても解約時の違約金等の発生はありません。
また、端末代金も利用開始時に代金引換一括払いにて購入しているため、通信サービスを解約しても端末代金残債などはないし、購入したWiMAX +5G専用ルーターはそのままあなたのものです(返却等の必要なし)。
利用開始月(初月)は無料
ASAHIネットWiMAX +5Gの特典として、利用開始月(初月)の月額料金は無料という特典が付いてきます。
月額料金無料であればできるだけ月のはじめから使い始めたいですね。
ASAHIネットWiMAX +5Gの利用開始月(初月)とは「利用者が初めてデータ通信を行った日またはASAHIネットがデータ端末を発送してから10日後のどちらか早いほう」と規定されています。
通常、ASAHIネットではネットからの申し込みの翌日には端末発送するので、大体25日あたりにネットから申し込み、月が替わってからデータ通信を使い始める、という使い方によりフルに一か月分を無料にすることができます。
ASAHIネットWiMAX +5Gのデメリット
デメリット① 端末代金が一括払い
ASAHIネットWiMAX +5Gでは通信サービスの契約時にWiMAX +5G専用ルーターの同時購入が必須となっています。
そしてその購入代金(27,720円)は利用開始時に「代金引換払い」による一括支払いとなっています。
多くのプロバイダーが実施している分割払いはできません。
デメリット② 端末代金が代金引換払い
また、5G専用ルーターが代金引換払いで送られてくることにより、端末代金(27,720円)に加えて代金引換手数料440円が別途加算請求となります。
つまり、初期費用の端末代金として代引き手数料(440円)を加算して28,160円を一括支払い(代金引換払)、ということになります。
デメリット③ 初期契約解除で端末キャンセルができない
自宅がWiMAX +5Gのエリア内であっても自宅の向きや構造によっては自宅・自室内でWiMAX +5Gの電波が十分に入らない場合があります。
こんな時には「初期契約解除」という制度を使ってサービス契約を解除することができます。
ASAHIネットWiMAX +5Gにおいても同様に初期契約解除制度を利用して通信サービスを契約解除することができますが、その場合でも同時購入した5G専用ルーターの購入契約解除はできません。
つまり、WiMAX +5Gの通信サービスは解除(キャンセル)できるけど端末代金は支払わないといけない、ということになります。
もし自宅の電波状態が不安であり、初期契約解除制度の利用を考えている場合には端末購入契約も含めて初期契約解除できるプロバイダーを選ぶべきでしょう。
ASAHIネットWiMAX +5Gのメリット
メリット① 固定IPアドレスが使える
ASAHIネットWiMAX +5Gの最大のメリットは「IPv4固定アドレスが使える」という点に尽きます。
むしろ「これ以外にメリットはない!」とも言えますが、固定IPv4アドレスに関してはASAHIネット WiMAX +5Gは唯一のWiMAX +5Gプロバイダーそしてホームルーターサービスと言えます。
グローバルIPが使えるホームルーターはWiMAXだけ
工事不要で簡単に自宅に高速回線が引き込めるホームルーターサービスが人気です。
WiMAX +5G以外にもNTTドコモ「home5G」やソフトバンク「Softbank Air」というサービスがあります。
しかし、home5GもSoftbank Airもルーターに付与されるIPアドレスはプライベートIPアドレスになり、これによりどんなに頑張ってもポート開放できません。
WiMAX +5Gも基本的にはプライベートIPアドレスを付与しますが、以下の2点によりhome5GやSoftbank Airに対して優位性があります。
- UQ WiMAX +5GならグローバルIPアドレスオプションが使える
- ASAHIネットWiMAX +5Gならさらに固定IPアドレスが使える
グローバルIPオプション(変動)が使えるUQ WiMAX
WiMAX +5Gの本家UQコミュニケーションズが運用・提供しているWiMAX +5GがUQ WiMAX +5Gです。
本家らしく通信サービスが充実しており、この一つとして「グローバルIPアドレスオプション(月額110円)」というオプションサービスが利用できます。
基本サービスではプライベートIPアドレスを付与しますが、グローバルIPアドレスオプションを利用するとルーターにグローバルIPアドレスが付与されるようになります。
これにより、ポート開放設定が機能するようになります。
ただし、「グローバルIPアドレスオプション」で付与されるグローバルIPアドレスは固定ではなく変動になり、ルーター再起動や通信設備のメンテナンスなどのタイミングでIPアドレスが変わってしまいます。
このため、DDNS(ダイナミックDNS)サービスと併用する必要があります。
完全に固定されたグローバルIPアドレスサービス
そして、ASAHIネットWiMAX +5Gの「固定IPアドレスプラン」を利用すれば完全に固定(変動しない)グローバルIPv4アドレスを使うことができます。
付与されるグローバルIPアドレスは固定されており変動しないので、いつでも同じIPアドレスで自宅ルーターへ接続することができます。
現状ではこの完全に固定された固定IPv4アドレスが使えるホームルーターサービスはASAHIネットWiMAX +5Gだけです。
メリット② 契約縛りなし!解約違約金なし!
ASAHIネットWiMAX +5Gには契約期間の縛りがありません。
よって、解約時の違約金などもありません。
使ってみて満足できなければいつでも違約金不要で解約することができるし、また短期間での利用(光回線の工事までのつなぎなど)などもできます。
WiMAX +5GはSIMフリールーター、解約後も再利用可能
WiMAX +5GルーターはSIMフリールーターなので、解約後でもau系格安SIMや楽天モバイルなどでの再利用もできます。
楽天モバイルの「最強プラン」はどれだけ使っても月額3,278円と格安で自宅固定回線としての利用にも人気がありますが、WiMAX +5Gルーターなら楽天モバイルの自社回線エリアでもパートナー回線エリアでも使うことができるので、WiMAX解約後のルーターの再利用として考えるとよいでしょう。
※ただし、楽天モバイルはグローバルIPではありません。
また、当然「再度WiMAX +5Gを契約」する場合にそのルーターを利用することもできます。
まとめ、ASAHIネットWiMAX +5Gはこんな人におすすめ
WiMAX +5Gを提供しているプロバイダー(通信事業者)はたくさんありますが、ASAHIネットはあまりWiMAX +5Gにおいてはメジャーではありません。
料金が特別安いわけでもなく、いたって普通です。
そんなASAHIネットWiMAX +5Gの最大そして唯一の特徴は「固定IPによるグローバルアドレス」のサービスだと言えます。
ASAHIネットというプロバイダはWiMAX +5Gにおいては比較的新しいプロバイダーですが、通信事業者としての歴史は古くもはや老舗プロバイダーとも言えます。
そして、固定IPアドレスに関するサービスにおいては古くはADSLやBフレッツの時代から先進的に固定IPアドレスサービスを提供してきました。
現在、ホームルーターサービスで固定によるグローバルIPアドレスサービスが利用できるのはASAHIネット WiMaX +5Gだけです。
外部から自宅へ接続したい人(ポート開放)
固定IPアドレス(グローバルIP)を利用することで外部(インターネット)から自宅のルーターへ接続することができるようになります。
一般的にホームルーターサービスでは自宅ルーターにはプライベートIPアドレスが付与されるため、ルーターにポート開放の設定を行っても機能しません。
ポート開放設定が働く前に(外部からの接続前に)、そもそも外部(インターネット)から自宅ルーターへ接続できないからです。
ポート開放は外部(インターネット)から自宅ルーターへ接続できて初めて機能するものです。
外部から自宅へ接続する仕組み
このように外部(インターネット)から自宅ルーターへ接続するためには外部(インターネット)から自宅の住所がわからなければ接続できません。
グローバルIPアドレスはインターネット上の共通の住所(IPアドレス)なので、自宅のルーターがどこにあるのかがわかります。
プロバイダー内部でのみ有効なプライベートIPアドレスの場合は、外部(インターネット)から自宅住所がわからないため、インターネットとプロバイダーの接続点で迷子になってしまい、自宅ルーターへ接続することができません。
外部(インターネット)から自宅ルーターへ接続する場合にはグローバルIPアドレスが付与されている必要があります。
固定IPアドレスで接続する
グローバルIPアドレスの付与の仕方には「固定IP付与」と「変動IP付与」があります。
固定IP付与の場合にはずっと(いつでも)同じIPアドレスが付与されます。
このため、外部から自宅へ接続する場合には付与されている固定IPアドレスをそのままで自宅へ接続することができます。
変動(グローバル)IPアドレスで接続する
一方で付与の仕方として「変動IPアドレス」による仕組みもあります。
変動IPによるグローバルIPアドレスの付与は「外部からの接続は可能(グローバルIPなので)」「しかしIPアドレスが頻繁に変動する」という仕組みになります。
このため、昨日付与されていたIPアドレスが今日も使えるとは限らない、という不便さが発生します。
この点において、固定IPとしてグローバルIPアドレスを付与してくれるのはWiMAX +5GそしてホームルーターサービスにおいてASAHIネットWiMAX +5Gが唯一のプロバイダーとなります。
モバイルルーターで固定IPアドレスを利用すべきではない!
最後にグローバル固定IPアドレスを利用する場合の注意点を述べておきます。
グローバルIPアドレスはインターネット上の共通のIPアドレスなので、グローバルIPアドレスを付与されたルーターは常にインターネット(外部)にさらされている、という状態になります。
この状態に加えて「ポート開放」することでインターネット(外部)から自宅ネットワークへ接続(侵入)できる状態にもなってしまいます。
不要なポート開放の設定などは危険で、できるだけ不要なポート開放はしないようにしましょう。
モバイルルーターでの利用はおすすめしない
また、グローバルIPアドレスを付与されたルーターはインターネット(外部)から常に何者かによりポートスキャンの攻撃を受けています。
インターネット上の悪意を持った人が「侵入できるポート開放はないかな?」とポートスキャンすることで探している状態です。
ポートスキャンも外部(インターネット)からルーターへのアクセスのひとつであり、ポートスキャンされることでルーターは接続判定のための動作を行います。
この動作により、もしバッテリー駆動のモバイルルーターであればバッテリーが必要以上に消費されるということになります。
一般的にグローバルIPが付与されたモバイルルーターのバッテリー駆動時間はプライベートIP付与の場合より40%近く短くなります。
つまりポート開放は自宅固定のホームルーターで行うべきことであり、モバイルルーターでポート開放を行うべきではありません。
モバイルルーターを利用する場合には「ポート開放は行わない」「プライベートIPアドレスを利用する」がおすすめです。
追記:WiMAX +5GでグローバルIPアドレスが使えなくなる!?
この記事ではホームルーターサービスの中で唯一グローバルIPアドレスが使える回線サービスとしてWiMAX +5Gを取り上げました。
そして、グローバルIPアドレスの使い勝手が良い固定IPアドレスとして提供してくれるAsahiネットWiMAX +5Gをご紹介しました。
「WiMAX +5GならグローバルIPアドレスが使える・ポート開放ができる」「さらにAsahiネットWiMAX +5Gなら固定アドレスとして提供される」という内容ですが、どうやらWiMAX +5GでもグローバルIPアドレスが使えなくなりそうです。
新サービス「WiMAX +5G SAサービス」ではグローバルIPアドレス非対応
WiMAX +5Gを運営しているKDDIグループのUQコミュニケーションズは新しいWiMAX +5Gの通信サービスとして「WiMAX +5G SA(スタンドアローン)サービス」の提供を開始しました。
従来の通信サービス「NSA(ノン・スタンドアローン)」に対して新サービス「SA(スタンドアローン)」では、「真の5G」と言われるネットワークスライシング技術によりネットワークにつながる端末ごとに最適な電波・ネットワークを割り当ててくれるサービスです。
この「真の5GサービスSA(スタンドアローン)」により、WiMAX +5Gもさらなる高速化に加えて応答速度の向上などが期待でき、光回線により近い通信性能が期待できます。
しかし、この「WiMAX +5G SA(スタンドアローン)」ではどうやらグローバルIPアドレスの提供が行われないようです。
新プラン「WiMAX +5G SAプラン」
WiMAX +5Gを提供する通信事業者(プロバイダー)各社はすでに従来サービス「WiMAX +5G NSA(ノン・スタンドアローン)」から「WiMAX +5G SA(スタンドアローン)」への移行を進めています。
理由は簡単で「NSA対応端末の終売(在庫切れ)」であり、新端末はすでに「SA対応端末」となっているからです。
そして、新端末「SA対応端末」でWiMAX +5Gを契約した場合には(現時点では)グローバルIPアドレスオプションが提供されません。
グローバルIPアドレスが使えるプロバイダー
このように、現在WiMAX +5Gは通信方式が従来の「5G NSA(ノン・スタンドアロン)」から「真の5G」と言われている「5G SA(スタンドアローン)」への移行中という状況です。
新しい「5G SA(スタンドアロン)」では「5G SA」対応のプラン・専用端末が必要であり、グローバルIPアドレスは提供されていません。
まとめると、以下のような状況です。
通信サービス | 契約プラン | 対応ホームルーター | グローバルIP 対応状況 |
---|---|---|---|
5G SA ※スタンドアロン |
5G SAプラン ※ギガ放題プラス(S) |
Speed Wi-Fi HOME 5G L13 | 非対応(?) |
5G NSA ※ノン・スタンドアロン |
5G NSAプラン ※ギガ放題プラス |
Speed Wi-Fi HOME 5G L12 Speed Wi-Fi HOMR 5G L11 |
一部プロバイダーで対応 |
そして、従来プラン「5G NSA」で契約できて、かつ「グローバルIPアドレスが提供される」というプロバイダーはASAHIネットのみとなってしまいました。。
つまりホームルーターサービスでグローバルIPアドレスが使える(ポート開放ができる)のはWiMAX +5GをASAHIネットの固定IPアドレスプランで契約した場合のみ、という状況になっています。
旧端末の終売によりグローバルIPアドレスは使えなくなりそうなので、検討中の方は早めに(旧端末の在庫があるうちに)契約することをおすすめします。