楽天ひかりでは高速通信方式「クロスパス」と従来からの通信方式「IPv4/PPPoE」の2つの接続サービスを標準提供しています。
「クロスパス」を利用した通信はフレッツ光回線が混雑する時間帯でも快適な通信速度が期待できます。
一方で「クロスパス」を利用した通信は「外部からの接続ができない(VPNなど)」「特定のVPN(L2TP/IPSecなど)が利用できない」というデメリットがあります。
楽天ひかりでは「クロスパス」と「PPPoE」を併用(同時に通信)することでこれらクロスパスのデメリットを回避することができます。
この記事では楽天ひかりを前提とし、高速通信(クロスパス)と従来方式(IPv4/PPPoE)を併用しそれぞれのデメリットを補完できる仕組みを説明していきます。
楽天ひかりの「クロスパス」と「PPPoE」
スマホ普及・動画配信サービス普及により、フレッツ光の通信が混雑してくる夜間においては動画もまともに見れないほど速度低下の現象が発生します。
この速度低下の原因となる通信の混雑地点を迂回することで、夜間でも快適な通信速度が期待できるのが高速通信サービス「クロスパス」です。
v6プラスやTransixなど、他の高速通信サービスも仕組みやメリット・デメリットはほぼ同じです。
現在ではこれら高速通信サービスが主流となっていることから多くのプロバイダーでは通信方式は高速通信サービスのみ提供というのが増えてきています。
そんな中で、楽天ひかりは高速通信サービス「クロスパス」と従来通信方式「iPv4/PPPoE」を標準提供しているのが特徴です。
クロスパス通信のメリット
クロスパスを含む「IPv4 over IPv6」通信方式を利用することで、フレッツ光回線において通信速度が低下する夜間でも通信速度低下を回避し快適な高速通信を利用することができます。
これは従来通信方式「IPv4/PPPoE通信方式」に対するメリットです。
また、クロスパスは比較的新しいサービスであるため、サービス提供事業者(VNE)である「アルテリアネットワークス」の通信設備にまだまだ余裕があるようで、他サービスのような「公平性による速度制限」を行っていないようです(速度制限なし!)。
これは他の高速通信サービス(v6プラスやTransixなど)に対するメリットです。
他の高速通信サービスは速度制限してるのか?
Transixはかなり早い段階で「価格公平性を担保するために速度制限は必要」という議論を行っていました。
これにより「Transixはプロバイダーごとに通信制限を行っているのでは?」と言われています(実際は不明)。
また、v6プラスにおいてもSo-netでは速度制限する安価なプランとそれを回避するオプションの提供を開始しています(つまり速度制限している)。
- フレッツ光回線の夜間の通信速度低下を回避できる
⇒ 通信混雑する夜間でも快適高速通信 - 比較的新しいサービスで設備に余裕?
⇒ 速度制限が行われていない(今のところ?)
クロスパスのデメリット
高速通信サービスではサービス説明で必ず「利用できなくなるサービスがあります」というあいまいな注意事項が記載されており、これはクロスパスも同様です。
「利用できていたサービスが利用できなくなる」という原因は高速通信サービスにより自宅ルーターに付与されるIPv4アドレスの仕様が変更されるためです。
クロスパス通信で自宅ルーターに付与されるIPv4アドレスはプライベートIPv4アドレスであることから、外部(外出先)から自宅ルーターへ接続することができません。
これはクロスパスが基盤技術としているDS-Lite通信規格による制限であり、Transixやv6コネクトでも同様です。
また、同様の理由により通信サービス利用にあたり特定のIPv4ポートを利用するサービスも利用できません。
たとえばPPTPやL2TP/IPSecなどのVPN通信サービスです。
クロスパスでは「IPv4プライベートアドレス」「全部または一部のポート利用できない」というIPv4通信のデメリットがあります。
そして「IPv4グローバルアドレスが必要」「全部または一部のポート利用」が必要なサービスは利用できなくなります、というあいまいな注意事項となっているわけです。
- プライベートIPv4アドレスが配布される
⇒ グローバルIPv4アドレスが必要なサービスは利用できない - IPv4ポート利用ができない
⇒ 特定のIPv4ポートを利用するサービスは利用できない
IPv4/PPPoEによるデメリットの補完
楽天ひかりでは従来通信方式「IPv4/PPPoE」とクロスパスを併用することで、クロスパス通信のメリットはそのままに、デメリットを補完・回避することができます。
楽天ひかりが提供しているIPv4/PPPoEでは以下のようなIPv4アドレスが配布されます。
- グローバルIPv4アドレス(外部から接続できる)
- 占有IPv4アドレス(複数人での共有なし)
- 変動IPv4アドレス(定期的に変更される
クロスパスを含む高速通信サービスが「利用できなくなるサービスがある」という曖昧な注意事項はすべて「IPv4アドレスが不完全になる」ことが原因です。
それに対し、楽天ひかりのIPv4/PPPoEでは「完全なIPv4アドレス」が提供されます。
通信の快適さはクロスパスで実現し、「完全なIPv4アドレスが必要なサービス」ではIPv4/PPPoE通信利用で回避する、といのがクロスパスとIPv4/PPPoEの併用で実現できます。
クロスパスとPPPoEを併用する
楽天ひかりが提供するクロスパス通信方式とIPv4/PPPoE通信方式は併用(同時利用)することができます。
必要に応じて通信経路を「クロスパスで通信」「IPv4/PPPoEで通信」という使い方ができる、ということです。
通常は高速通信が期待できる「クロスパス通信」を利用し、外出先からの利用やVPN利用など特定のIPv4ポートが必要な通信は「IPv4/PPPoE通信」を利用する、という使い分けです。
基本形:並列ルーターで併用する
クロスパス通信とIPv4/PPPoE通信を併用するもっとも簡単な方法はルーターを並列接続することです。
以下のような構成になります。
上図からわかるように、この構成は「クロスパス利用のネットワークとIPv4/PPPoE利用のネットワークを完全に分ける」という構成になります。
自宅内に2つのネットワーク(クロスパスネットワークとIPv4/PPPoEネットワーク)があり1つの通信回線(楽天ひかり)を利用する、という構成です。
ネットワークは別になる
この構成ではクロスパスルーター配下のPCはクロスパス通信を行います。
IPv4/PPPoEルーター配下のPCはIPv4/PPPoE通信を行います。
そしてそれぞれのネットワークは別ネットワークとなります(PC同士の通信はできない)。
利用目的が決まっている場合に有効
この構成はPCの利用目的が決まっている場合に有効(簡単に構築できる)です。
通常利用するPCは夜間でも快適な通信ができるクロスパス通信を利用します。
一方で外部公開するサーバー・機器(ウェブサーバー/VPNサーバーなどや見守りカメラなど)はIPv4/PPPoEルーター配下に置くことで、外出先からの接続が可能となります。
発展形:同一ネットワークで併用する
前述の基本形は簡単に構築できますが、2つのルーター間での通信(共有)ができない、というデメリットがあります。
このデメリットに対応する発展形の構成は以下のようになります。
基本形の構成に対して、両ルーター間のLANポートをLANケーブルで接続します(同一ネットワークになる)。
両ルーターの設定
2つのルーター(クロスパスルーターとIPv4/PPPoEルーター)のLANポートをLANケーブルで接続します。
さらにクロスパスルーターのDHCPを有効、IPv4/PPPoEルーターのDHCPを無効とします。
これにより、自宅内のPCはすべてクロスパスルーターからIPアドレスが配布され、クロスパスルーターがデフォルトゲートウェイとなります。
デフォルトの通信経路はクロスパス通信
この構成では自宅PCのすべてがクロスパスルーターを使ってインターネットへ出ていきます(クロスパス通信)。
これは全PCがクロスパス側ルーターのDHCPからIPアドレス(デフォルトゲートウェイ)を配布されているからです。
端末(PC)によってルーターを切り替える
端末(PC)によってクロスパス通信とIPv4/PPPoE通信を切り替えるには、端末(PC)のネットワーク設定で「デフォルトゲートウェイ」を設定します。
クロスパス利用のPCはクロスパスルーターのDHCPからデフォルトゲートウェイはクロスパスルーターである、と設定されます。
そのうえで、IPv4/PPPoE接続するPCはPCのネットワーク設定でIPv4/PPPoEルーターのIPアドレスをデフォルトゲートウェイとして設定しておきます。
これにより、端末(PC)単位で「クロスパス利用?IPv4/PPPoE利用?」を切り分けることができます。
接続先によってルーターを切り替える
端末(PC)単位ではなく、接続先単位でクロスパス通信とIPv4/PPPoE通信を使い分ける、ということも可能です。
この場合にはデフォルトゲートウェイであるクロスパスルーター側に「静的ルーティング」という設定を行います。
基本はクロスパスルーターからインターネットへ出ていきますが、「この接続先(ドメイン名・IPアドレス)はIPv4/PPPoEルーターへ転送!」というのが静的ルーティングです。
例えば会社のVPNサーバーへIPv4/PPPoE接続する場合には以下のような設定になります(バッファロールーターの場合)。
この設定により「会社(VPNサーバー)への通信はPPPoEルーターへ転送」という動作になります。
よって「接続先単位で通信経路を使い分ける」という場合にはクロスパスルーター側に静的ルーティングの設定可能なルーターが必要となります。
外部からの接続はPPPoE側のIPv4アドレスで接続
外部(外出先)から自宅内のPCや機器(見守りカメラなど)に接続する場合は簡単です。
外部(外出先)からIPv4/PPPoEルーターに配布されているIPv4アドレスを指定して接続することで自宅ルーターへの接続が可能です。
さらにIPv4/PPPoEルーターに「ポート開放/ポートフォワーディング」設定を行っておくことで、自宅内端末へ外部から接続することができます。
この場合、IPv4/PPPoEルーターに「ポート開放/ポートフォワーディング」の設定機能、または「DMZ」の設定機能が必要です。
たとえばバッファロールーターであれば以下のような画面設定となります(設定内容は接続したいサービスにより異なります)。
楽天ひかり「IPv4/PPPoE」のIPv4アドレス
楽天ひかりのIPv4/PPPoE接続では完全なIPv4アドレスが配布されます。
「完全な」とは「グローバルIPv4アドレスである(外部から接続できる)」「占有IPv4アドレスである(全ポート利用できる)」という点です。
この点において、非常に使い勝手の良いIPv4通信環境となりますが、注意しておくべきは「変動IPv4アドレス」であるという点です。
「変動IPv4アドレス」なので任意のタイミングでルーターに付与されるIPv4アドレスは変更されます。
IPv4アドレスはいつ変更される?
多くのプロバイダーではルーターを再起動するたびにIPv4アドレスが変更されますが、楽天ひかりの「IPv4/PPPoE接続」はルーターを再起動してもIPv4アドレスが変更されたりされなかったりと、不定期です。
つまり、「変動IPv4アドレス」ではあるけれど、あまり変動しない、というイメージです。
私が今まで使ってみた感じだと、同じIPアドレスは一か月ほど継続されるようで、そのタイミングはルーター再起動のようです。
いずれにしても「あまり変動しない」けれども「変動IPv4アドレス」である以上、いつかはIPv4アドレスは変更されます。
外部からの接続利用ならDDNS(ダイナミックDNS)利用も検討
「変動IPv4アドレス」であることから、楽天ひかりの「IPv4/PPPoE通信」を使って外部(外出先)から自宅ルーターへ接続する場合には「DDNS(ダイナミックDNS)」の利用も検討すべきでしょう。
DDNS(ダイナミックDNS)とは、IPアドレスが変更されても同じ(変更されない)ドメイン名でアドレス解決をしてくれるサービスです。
楽天ひかりの良い(便利な)ところ
楽天ひかりといえば「楽天モバイルとセットで1年無料」というイメージが強いですね。
つまり楽天モバイル利用者が1年間無料で使える光回線ということで、安さだけが注目されているイメージがあります。
しかし、楽天ひかりが提供する「クロスパス」と「IPv4/PPPoE」は悪くありませんし、併用可能なうえでの標準月額料金も高くありません。
「楽天モバイルとセット利用で安い」はもちろんメリットですが、実際に楽天ひかりを使ってみるとそれ以外にもメリットがあります。
高速通信「クロスパス」標準装備
楽天ひかりでは標準(無料)で高速通信サービス「クロスパス」を提供しています。
比較的新しいサービスであることから、先行するv6プラスやTransixなどのサービスよりも通信設備の余裕があるようで、高速通信サービスの中ではもっとも速度面への期待が持てる通信サービスです。
Transixやv6プラスは「公平性による速度制限」を行っているようです・・・
クロスパス通信を利用することで、通信の混雑する夜間の時間帯においても快適な通信が可能となります。
PPPoEも標準提供される
楽天ひかりでは高速通信サービス「クロスパス」に加えて従来の通信方式「IPv4/PPPoE通信方式」も標準(無料)提供しています。
実は最近のフレッツ光コラボでは高速通信方式が主流となっていることから、この「PPPoE方式」を提供しているプロバイダーが少なくなってきています。
また、PPPoEを提供していた場合でも別途オプション(有料)だったりします。
楽天ひかりはクロスパスとPPPoEを両方提供している点を考慮すると、月額料金も比較的安いと評価できます。
余談ですが我が家の楽天ひかり「PPPoE通信」は爆速
IPv4/PPPoE通信は遅い・夜間は使い物にならない!と言われますが、我が家の楽天ひかり回線でのIPv4/PPPoE接続は非常に優秀です。
フレッツ光回線が混雑する夜間(20時ころ)でもIPv4/PPPoEでこれくらいの速度が出ています。
「遅いじゃないか!」というかもしれませんが、我が家は住宅事情によりVDSL配線方式であり最大通信速度100Mbpsです。
その環境において夜間の通信混雑時間帯でもこの速度という点で、私は非常に満足しています。
IPv4/PPPoEではグローバルIPv4アドレス
そして楽天ひかりのIPv4/PPPoE通信では完全な「グローバルIPv4アドレス」「占有IPv4アドレス」が付与されます。
グローバルIPv4アドレスであることから、外部(外出先)から自宅ルーターへの接続において制限がありません。
また「占有IPv4アドレス」であることから他人と共有することなく、すべてのIPv4ポートを利用(解放・フォワーディング)することができます。
IPv4/PPPoE通信を提供しているプロバイダーであっても「プライベートIPv4アドレス」の場合もあり、この点において楽天ひかりの提供する「IPv4/PPPoE」は使い勝手の良いサービスであると評価できます。
楽天ひかりならテレワーク完全対応
楽天ひかりなら高速通信クロスパスと従来方式IPv4/PPPoEを併用(同時利用)することができます。
クロスパスを利用することで、夜間の通信混雑の時間帯においても快適な通信速度を確保することができます。
そしてIPv4/PPPoEを利用することで完全なIPv4グローバルアドレスを利用することができます。
完全なIPv4グローバルアドレスであることから、「外部から自宅ルーターへの接続」や「LT2P/IPSecなどのVPN利用」が可能となります。
外部から自宅ルーターへの接続
楽天ひかりのIPv4/PPPoE通信で付与されるIPv4アドレスは「グローバルIPv4アドレス」「占有IPアドレス」です。
よって付与されるIPv4アドレスを指定して外部(外出先)から自宅ルーターへ接続することができ、以下のようなクロスパスの制限を回避することができます。
- 自宅サーバー公開ができる
⇒ ウェブサーバーやVPNサーバー - 外出先から見守りカメラやNASが利用できる
IPv4ポートの利用
楽天ひかりのIPv4/PPPoEで付与されるIPv4アドレスは「占有アドレス」であり他人と共有されません。
このためIPv4アドレスのすべてのポートが利用できます。
これにより、自宅から外部への接続において自由にポート利用・ポート開放(フォワーディング)が可能となり、以下のようなクロスパスの制限を回避することができます。
- PPTPやL2TP/IPSecなど特定ポート利用のVPNが利用できる
- 特定ポート指定のゲーム機やカメラなどの機器が利用できる
【番外】併用しなくてもテレワーク対応
この記事では楽天ひかりを対象として、楽天ひかりが提供する2つの通信方式「クロスパス通信方式」と「IPv4/PPPoE通信方式」を併用(同時利用)する方法を説明してきました。
両通信方式を併用することで、高速通信「クロスパス」が苦手とする点を「PPPoEで補完」することができます。
しかし、実は面倒な併用をしなくてもこれらの問題を解決する方法があります。
それが「クロスパス対応固定IPv4アドレスサービス」というサービスです。
クロスパス固定IPv4アドレスとは?
クロスパス固定IPv4アドレスをはその名の通り、クロスパス通信において自宅ルーターにIPv4固定アドレス(グローバルIPアドレス)を付与してくれるサービスです。
このサービスを利用することで、PPPoE接続に頼ることなく自宅ルーターに「IPv4固定アドレス」が付与され、「外部からの接続」「全ポートの利用」が可能となります。
IPv4アドレスの問題はクロスパスに限らない
この記事ではクロスパス通信の問題としてIPv4アドレスの問題とその回避策としての「併用(同時利用)」を説明してきました。
しかし、この問題はクロスパスだけでなく他の高速通信サービス(v6プラスやTransixなど)で同様の問題です。
なぜなら、これら高速通信サービスの本来の目的は「フレッツ光を速くする」のではなく「IPv4アドレスの枯渇問題を回避する」「緩やかにIPv4からIPv6へ移行する」のが本来の目的だからです。
よって、v6プラスやTransixなど他の高速通信サービスにおいても同様の「併用(同時利用)」は有効であり、またそれぞれの「固定IPv4アドレスサービス」で回避することができます。
クロスパスIPv4固定アドレス対応プロバイダー
クロスパス固定IPv4アドレスサービスを利用することで、面倒な「PPPoE併用」をしなくてもIPv4グローバルアドレスを利用することができます。
残念ながら楽天ひかりではクロスパス通信向けに「IPv4固定アドレスサービス」を提供していません。
高速通信サービスに対する「IPv4固定アドレスサービス」が充実しているのはenひかりです。
IPv4固定アドレス利用なら「enひかり」
v6プラスやクロスパスなどに向けてIPv4固定アドレスを提供しているプロバイダーは実はほとんどありません。
enひかりは株式会社縁人が運営しているフレッツ光コラボで、「最安級の月額料金」「契約縛りなし」が特徴のサービスです。
さらに高速通信サービスとして「v6プラス」「Transix」「クロスパス」を自由に選ぶことができます(あとから変更も可能)。
そして「v6プラス」「クロスパス」を利用する場合において、「IPv4固定アドレスサービス」を提供しています。
フレッツ光回線を検討中の方で固定IPv4アドレスを使ってみたい方は「enひかり」をおすすめします。
※これ以外の選択肢はない・・・?
まとめ
フレッツ光回線では夜間の通信速度低下を迂回するための高速通信サービスが主流です。
このため、多くのプロバイダーでは通信方式としてv6プラスなどの高速通信サービスのみを提供するところが増えてきました(IPv4/PPPoEが提供されない)。
または、提供されるとしても別途オプション料金が必要、という感じです。
また、IPv4/PPPoE通信が提供されているプロバイダーでもプライベートIPv4アドレスであったり共有IPv4アドレスであったりします。
楽天ひかりは「クロスパスとIPv4/PPPoE両標準提供」「PPPoE通信では完全なIPv4アドレスを提供」と条件の良い通信サービスを提供しています。
さらに、最近はやりの「月額料金最安級」ではありませんが上記のメリットを考慮すると決して月額料金も高くありません。
併用設定(利用)の条件
楽天ひかりは高速通信クロスパスに加えて従来方式「IPv4/PPPoE通信」も標準提供、しかもPPPoE接続で付与されるIPv4アドレスは完全なIPv4アドレスになります。
このことから、楽天ひかりでは高速通信クロスパスのデメリット(不完全なIPv4アドレスに起因)をIPv4/PPPoE通信で補完(完全なIPv4アドレス配布)することができます。
このサービスを利用して「クロスパスとPPPoEの併用」環境を構築するためには以下の条件が必要です。
- クロスパス対応ルーター(クロスパス接続のため)
- PPPoE対応ルーター(IPv4/PPPoE接続のため)
- スイッチングハブ(2台のルーターを並列接続するため
ルーターに必要な機能
さらに、ルーターに必要な機能についても注意が必要です。
- 静的ルーティング機能(できないルーターも多い)
- ポート開放/フォワーディング機能(できないルーターも多い)
「静的ルーティング機能」は同一ネットワーク内においてクロスパスルーターを経由するかPPPoEルーターを経由するか、という接続先による使い分けを実現するために必要です。
また「ポート開放/フォワーディング機能」はPPPoEルーターに対して外部から接続するために必要です。
併用することで高速通信のデメリットを回避
この記事では楽天ひかりのIPv4/PPPoE通信およびそれで配布されるIPv4アドレスについて説明し、クロスパスとIPv4/PPPoEを併用する構成を説明してきました。
楽天ひかりではクロスパスとIPv4/PPPoE通信を併用することで、クロスパスの高速性はそのままにIPv4/PPPoEでの「完全なIPv4アドレス」を利用してクロスパスのデメリットを補完することができます。
クロスパスをはじめとする高速通信サービスでは「不完全なIPv4アドレス」となることから、「使えなくなるサービスがあります」という曖昧な注意書きが散見されますが、楽天ひかりならクロスパスとIPv4/PPPoEを併用することで、完全に今までのサービスを継続利用できる環境が構築できます。
外出先からの自宅サーバー・機器利用やテレワークでのVPN接続でお悩みの方、参考にしていただければ幸いです。