人気のホームルーター「WiMAX +5G」はポート開放ができません。
ルーター自体にはポート開放(ポートマッピング)の機能はあるのですが、設定しても機能しません。
結果として、「外出先から自宅のWiMAX +5Gホームルーターへ接続できない」、「外出先から自宅へVPN接続したい」ということもできないということです。
しかし、ポート開放できなくても外出先から自宅のWiMAX +5GホームルーターへVPN接続する方法があります。
それも「自宅ネットワークを丸ごとVPN公開する」という使い方ができ、「どこからでも自宅と同じネットワーク環境が利用できる」ようにすることができます。
この記事ではWiMAX +5Gホームルーターを使って自宅パソコンや自宅ネットワークをVPN公開する方法をご紹介していきます。
人気のホームルーター「WiMAX +5G」の問題点「ポート開放」
WiMAX +5Gホームルーターではポート開放しても意味がない
WiMAX +5G専用のホームルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」「Speed Wi-Fi HOME 5G L12」にはその管理画面にポート開放(ポートマッピング)の画面があります。
しかし、この画面でポート開放設定を行っても意味がありません(機能しません)。
なぜポート開放しても意味がない?
ネットワーク通信に必要なIPアドレスには「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」があります。
インターネット上の住所「グローバルIP」
「グローバルIPアドレス」とはインターネット上で使える共通のIPアドレスなので、外部(インターネット)から自宅住所(自宅のIPアドレス)がわかります。
これにより外部から自宅のルーターへ接続することができます。
プロバイダー内部の住所「プライベートIP」
「プライベートIPアドレス」とはプロバイダーの中でのみ使えるIPアドレスなので、外部(インターネット)から自宅住所(自宅のIPアドレス)がわかりません。
そのため外部からの通信は迷子になってしまいます。
WiMAX +5GはプライベートIP
WiMAX +5G通信サービスによって割り当てられるIPアドレスはプロバイダー(UQコミュニケーションズ)の中でのみ利用可能なプライベートIPアドレスなので、外部から自宅のWiMAX +5Gホームルーターへは接続できません。
よってポート開放の設定をしたとしても(できませんが)意味がありません!
ポート開放できないことで何が困る?
自宅ルーターに割り当てられるIPアドレスがプライベートIPアドレスの場合には外部(インターネット)から自宅(WiMAX +5Gホームルーター)へ接続することができません。
このため、例えば以下のようなことができません。
- 自宅のサーバーをインターネットに公開する
- 自宅のカメラ(ペットや赤ちゃん)を外部から見る
- 外出先から自宅へのVPN接続
- つまり「外部→自宅」への接続はできない
通常、いろんなウェブサイトを見る、動画を見るなどの自分から相手(外部)へ接続していくサービスは問題なく利用できますが、上記のように外部から自分(自宅)へ接続してきても自宅住所がわからないので迷子になってしまうわけですね。
この記事で「自宅へのVPN接続」ができるようになる
ITサービスが多様化してさまざまな便利なクラウドサービスが増えてます。
そしてこれらクラウドサービスを使えばつながるはずのない「外出先から自宅へのVPN接続」ができてしまいます。
この記事では、上記の「ポート開放ができなくて困ること = プライベートIPアドレスでできないこと」のひとつである「外出先から自宅のWiMAX +5GホームルーターへVPN接続する」をやってみます。
グローバルIPでポート開放できるWiMAX +5G
WiMAX +5Gは多くの通信事業者(プロバイダー)が独自サービスを提供しています。
その中にはグローバルIPアドレスを使えるサービスを提供しているWiMAX +5Gプロバイダーもあります。
グローバルIPアドレスが利用できればポート開放設定が機能するので、外出先から自宅のWiMAX +5Gへ接続できるようになります。
グローバルIPアドレスオプション「UQ WiMAX +5G」
WiMAXの本家であるUQコミュニケーションズが提供しているWiMAX +5Gサービス「UQ WiMAX +5G」ではグローバルIPアドレスオプション(月額105円税込)を提供しています。
グローバルIPアドレスオプション
UQ WiMAX +5Gの標準サービスではWiMAX5Gルーターに付与されるIPアドレスはプライベートIPアドレスなので、ポート開放しても機能しません。
しかし、月額105円(税込み)の「グローバルIPアドレスオプション」を付与することで、ルーターに付与されるIPアドレスがグローバルIPアドレスになります。
ルーターに付与されるIPアドレスがグローバルIPアドレスであればポート開放の設定を行うことで、外出先から自宅ルーター(WiMAX5Gルーター)へ接続することができるようになります。
IPアドレスは変動するためDDNSサービス併用が必要
UQ WiMAX +5GのグローバルIPアドレスオプションで付与されるIPアドレスは「グローバルIPアドレス」ではありますが、固定アドレスではなく変動アドレスになります。
そのため、5Gルーターを再起動したり接続サーバー側のメンテナンスなどにより任意のタイミングでIPアドレスが変更されてしまいます。
※変更されてもグローバルIPアドレスです。
IPアドレスが知らないうちに変更されてしまうと外出先から自宅ルーターへ接続できなくなってしまいます(IPアドレスが違うから)。
この問題を解決するためにはDDNS(Dynamic DNS)サービスとの併用が必須となります。
固定IP(グローバルIP)オプション「ASAHIネットWiMAX +5G」
WiMAX +5Gを提供する通信事業者(プロバイダー)の中で、唯一の固定IPアドレスでのグローバルIPアドレスを提供しているプロバイダーがASAHIネットWiMAX +5Gです。
固定IPアドレスとしてグローバルIPアドレスが付与されると、外出先から自宅ルーターへ接続できるうえにずっと同じIPアドレスなのでDDNSサービスなどの併用が不要になります。
固定IPアドレスが提供される唯一のサービス
ASAHIネットWiMAX +5Gには一般的なプライベートIPアドレスを付与する「ギガ放題プラン」と固定IPアドレスによるグローバルIPアドレス提供の「ギガ放題固定IPアドレスプラン」の2つがあります。
「ギガ放題固定IPアドレスプラン」で契約した場合において固定IPによるグローバルIPアドレスが利用できるようになります。
「ギガ放題プラン」と「ギガ放題固定IPアドレスプラン」のプラン変更はできず、解約・新規の手続きとなるため契約時にどちらのプランを選ぶか決めておく必要があります。
ポート開放しなくても使えるVPN「Tailscale」
さて、ここまでは「グローバルIPアドレスでなければポート開放は機能しない」「プライベートIPアドレスではポート開放しても意味がない」という点と、WiMAX +5Gを提供するプロバイダーの中でグローバルIPアドレスを提供しているプロバイダー情報を説明してきました。
ここからはグローバルIPアドレスでなくても(プライベートIPアドレスでも)外出先から自宅のWiMAX +5GルーターへVPN接続できる仕組みを説明していきます。
プライベートIPアドレスではできないはずの「外出先から自宅のWiMAX +5GホームルーターへVPN接続する」ができるステキなサービスが「Tailscale(テールスケール)」というサービスです。
ここまで読んで「なんだ、Tailscaleのことかよ」と思った方、失礼いたしました。またの訪問をお待ちしております。
WiMAX +5Gホームルーターでは外出先から自宅へ接続できない
WiMAX +5Gという通信サービスはUQコミュニケーションズが運営するネットワークを使った通信サービスであり、このサービスはルーターにプライベートIPアドレスを割り当てます。
プライベートIPアドレスは外部(インターネット)で利用できないIPアドレスなので外部から自宅のWiMAX +5Gホームルーターへの接続はできません。住所がわからないから迷子になる、という理屈です。
自宅の固定回線がWiMAX +5Gの場合、外出先から自宅へのVPN接続ができないのは「外部から自宅の住所(IPアドレス)がわからないから迷子になる」からです。
つまり外出先から自宅(WiMAX +5Gホームルーター)へ接続できない
プライベートIPアドレスの通信サービスでは「外部(インターネット)→内部(自宅)」への通信ができません。
しかし「内部(自宅)→外部(インターネット)」への通信は当然問題なく可能です。
「すべてが内から外へ」のVPN「Tailscale」
とってもステキなVPNサービス「Tailscale」では外出先(パソコンとしましょう)も自宅(WiMAX +5G)も「内部→外部(Tailscaleサービス)」へVPN接続要求を行います。
Peer-to-Peer型のVPN接続サービス
Tailscaleではこの「外出先パソコンの接続要求」と「自宅内からの接続要求」をマッチングしてVPN接続を確立してくれます。
TailscaleはVPN通信を提供するサービスではなくVPNの接続要求をマッチングするだけのサービスです。
この仕組みによって、「外部→内部(自宅)」の接続ができないWiMAX +5Gでも「内部(自宅)→外部(Tailscale)」へのVPN接続要求を出すことで外部パソコンとのVPN接続が確立します。
VPN接続はTailscaleのサーバー経由ではなく、直接外部パソコンと自宅との接続になります(Peer-to-Peer型)。
無料で最大20台までのメッシュ型VPN接続サービス
Tailscaleの無料プラン「Personalプラン」では1つのアカウントに最大20台までのデバイス(パソコンやスマホ)を登録することができます。
そしてTailscaleは登録されたデバイスをすべて「1対1」のメッシュ型VPNとして接続してくれます。
無料プランでも最大20台のデバイスが相互にVPNでつながる状態が作れる、という仕組みです。

簡単にTailscaleを使ってみる
tailscaleを使って外出先から自宅のネットワーク(サブネット)へVPN接続、という環境を構築する前に、tailscaleの基本形(?)である外出先から自宅のPCに接続するという「ノードtoノード」のVPN接続を経験してみましょう。
本当に簡単にVPN接続できてしまいます。
tailscaleのサービスを利用する大きな流れは以下のようになります。
- STEP1tailscaleサービスへログイン
まずはGoogleアカウントなどでtailscaleサービスへログインします。ログインするとデバイス用のアプリがインストールできます。
- STEP2アプリのインストール
tailscale接続アプリをダウンロード(スマホの場合はQRコード)し、インストールします。 - STEP3アプリの認証
インストールしたアプリからtailscaleへログインします。これによりデバイスがtailscaleへVPNノードとして登録されます。
※この「STEP3」をVPN相互接続したいすべてのデバイスで行います(登録・認証)
この手順で「外出先で使うパソコン」と「自宅でVPN接続したいサーバー」を想定したパソコンの2台をTailscaleに登録してください。
ではやってみましょう。
STEP① tailscaleサービスへログイン
まずtailscaleサービスへログインします。
tailscaleは以下のアカウントで利用することができます。
- Googleアカウント
- Microsoftアカウント
- GitHubアカウント
「Zero Trust」というやつであり、tailscaleでは利用者の個人情報を一切保持しません。
STEP② tailscaleアプリのインストール
アカウント登録したら次は登録するデバイス用のアプリをダウンロードしインストールします。
以下のデバイスに対応しています。
- macOS
- iOS(iPhone/iPad)
- Windows
- Linux
- Android
スマホアプリ(Android/iOS)はQRコード読み取りでインストールできます。
macOS/Windowsはアプリをダウンロード後にインストールします。
Linuxはさらにディストリビューションごとに細かく分かれており、主要なディストリビューションに加えて「Raspberry Pi」でも使うことができます。
ここではWindows版をダウンロードしインストールします。
STEP③ アプリの認証
インストールが終了するとタスクトレイにtailscaleアプリのアイコンが現れます。
アイコンを右クリックしてメニューから「Connect」をクリックします。
登録時アカウントでログインするとWindowsパソコンがtailscaleサービスに登録されます。
登録されたデバイスはtailscale管理画面で参照することができます。
「LAST SEEN」が「Connected」の状態であるデバイスはすでに相互VPNの登録されているので、「Connected」のデバイス同士はVPN接続されている状態です。
この場合、相手デバイスのIPアドレスは自宅ネットワークのアドレスではなくtailscaleが割り振った「100.*.*.*」のIPアドレスとなります。

簡単ですね。
Tailscaleで簡単VPN接続
このようにTailscaleのサービスを利用することで簡単にVPN接続ができてしまいます。
しかも「接続する側」も「接続される側」もどちらも「内部→外部(Tailscale)」での接続なので、プライベートIPアドレスが割り当てられるWiMAX +5Gホームルーターの通信サービスでも外出先から自宅へのVPN接続ができてしまいます。
WiMAX +5GはプライベートIPアドレスを使った通信サービスなので外部(インターネット)から内部(自宅)への接続ができません。
しかしTailscaleの「VPN接続要求のマッチング」サービスを使えば簡単に外出先パソコンと自宅パソコンがVPNで接続できてしまいます。
外出先から自宅ネットワークへVPN接続
前章でやってみたTailscaleの使い方では基本形として「パソコンとパソコンの直接VPN接続」をやってみました。
この章では応用編として「パソコンと自宅ネットワークのVPN接続」をやってみます。
「外出先から自宅ネットワークへのVPN接続」ができれば、外出先でも自宅のネットワークに直接接続している使い方ができてしまいます。
Tailscaleアプリが対応していないデバイス(NASやプリンター、IoT家電など)の利用もできるようになりますね。
Tailscaleの「サブネット」機能
Tailscaleの基本形は「デバイス間のVPN接続」であり、デバイス(パソコンやスマホ)にTailscaleアプリをインストールすることでそのデバイスを無料プランで最大20台まで相互VPN接続してくれます。
Tailscaleのサブネット機能を使えばデバイスではなくネットワークをまるごとVPN接続することができます。
「デバイスを登録」したうえで「ネットワークセグメント(192.168.1.0/24など)を登録することで、外出先からもこのネットワークに参加できるようになるサービスです。
いつでもどこからでも自宅ネットワークへ参加できる
Tailscaleのサブネット機能を使うことで外出先からも自宅ネットワークに参加することができます。
仕事で自宅のファイルサーバーへアクセスする、などの使い方以外にも「学生の進学や単身赴任など、アパートからいつもの自宅ネットワークが使える」という使い方も同じです。
Tailscale「サブネット」に登録してみる
前章で「外出先のパソコンと自宅のパソコンをTailscaleに登録」しました。
この状態で両パソコン同士は直接VPN接続されています。
この状態を前提として、自宅ネットワークをTailscaleへ「サブネット」として登録してみましょう。
「サブネット」登録の仕組み
Tailscaleへサブネット(自宅ネットワーク)を登録するためには、まず前章のように基本となる自宅パソコンをTailscaleへ登録したうえで、その自宅側パソコンから「サブネット登録コマンドを発行」という手順になります。
自宅側のパソコンはTailscaleに登録できるデバイスであればWindows/Mac/Linuxのどれでも構いません。
※ただし、そのパソコンは常時起動しておく必要があります。
- 自宅側のパソコンをTailscaleへ登録
- そのパソコンで「サブネット登録コマンド」を発行(Tailscaleheサブネット登録)
- Tailscale管理画面でサブネットを承認
- そのパソコンが起動中はサブネットがVPN接続される
よって、自宅ネットワークを常時VPNサーバーとして公開するためには「常時稼働できるデバイスをTailscaleへ登録する」必要があります。
「サブネット」登録コマンドの発行
今回は簡単にWindowsからサブネット登録します。
ここでは自宅ネットワークのIPアドレスセグメントを「192.168.1.0/24」と仮定します。このIPアドレスはあなたの自宅ネットワークに合わせて変更してください。
「サブネット登録コマンド」はWindowsのコマンドプロンプトから以下のコマンドを発行します。
※すでにTailscaleに登録されているデバイスからコマンド発行します。
Linuxパソコンだとこうなります。
# tailscale up --advertise-routes=192.168.1.0/24
WiMAX +5GホームルーターのIPアドレスは初期値が「192.168.128.1/24」なので、そのまま使っている方はIPアドレスセグメントは「192.168.128.0/24」となります。
これだけで「192.168.1.0」のネットワークセグメントがTailscaleに「サブネット」として登録されました。
「サブネット」の承認
サブネットの登録が完了したらTailscale管理画面から「サブネットの承認」を行います。
tailscale管理画面でOpenWrtルーターがサブネットとして登録されていることを確認します。
※ルータ名の下に「Subnets」と表示されている
ここから右端の「…」メニューから「Edit route settings…」を選びます。
コマンド発行したしたサブネットが登録されているはずなので、確認してスライドスイッチを「オン」にします。
これで自宅ネットワーク「192.168.1.0/24」がサブネットとしてVPN接続されました。
ここからはいつも自宅で使っているIPアドレスを使って外出先から自宅のデバイスを利用できます。
外出先から自宅のNASを使ってみる
我が家では「192.168.1.101」のIPアドレスでNASサーバー(OpenmediaVault)を構築しています。
外出先(今回は自宅からWiMAXで接続)のWindowsから自宅(OpenWrtルーター)を経由して自宅のNASにアクセスしてみます。
自宅ネットワーク接続時と同じように「192.168.1.101」のIPアドレスでNAS(OpenmediaVault)の管理画面にアクセスできました。
NASの共有フォルダへの接続と読み込み・書き込みもできました。
サブネット登録の問題点
このようにTailscaleではサービス登録したデバイスから「サブネット登録コマンド」を発行することで簡単にサブネット(自宅ネットワーク)を丸ごとVPN接続することができます。
自宅ネットワークを丸ごとVPN接続することで、外出先からも自宅にいるときと全く同じ使い勝手で使えるようになります。
自宅ネットワークをサブネットとしてTailscaleに登録する場合の注意点があります。
サブネット登録したデバイスは常時起動
自宅ネットワークがサブネットとして外出先からVPN接続できるのは「サブネットコマンドを発行したデバイスが起動している間だけ」です。
デバイスが終了(シャットダウン)してしまうとデバイスとTailscaleの接続情報が切断されてしまい、自宅ネットワークにVPN接続することができなくなります。
いつでも好きな時に外出先から自宅ネットワークへVPN接続したいなら、サブネット登録したデバイスは常時起動しておく必要があります。
常時起動しておくデバイスはどうする?
Windowsパソコンでもなんでも常時起動させていればいつでも外出先から自宅ネットワークへVPN接続することができます。
ですがパソコンを常時起動しておくと電気代とか音とか熱とか・・・いろいろ問題がありますね。
Tailscaleの利用者(サブネット利用者)の多くは消費電力が小さく無音のちいさなPC「Raspberry Pi(ラズベリー・パイ)」を使って「サブネット登録」「常時起動」をやっている方が多いようです。
Raspberry PiはLinuxベースのOSが動き、またTailscaleもRasperry Piに対応しているのでこのような使い方ができます。
おすすめはOpenWrtルーターを構築する
Raspberry Piでの常時運用も良いですが、私のおすすめは「OpenWrtルーターで構築する」というやり方です。
WiMAX +5Gホームルーターの直下にルーター(OpenWrtルーター)を設置し、その配下に自宅ネットワークを構築します。
そしてそのルーター(OpenWrtルーター)から「Tailscaleサブネット」を登録するやり方です。
ルーターなので常時起動も問題ないし、自宅のトップルーターをサブネット登録として使うのでわかりやすいですね。
「OpenWrtルーターって何?」「OpenWrtルーターを使ってどうやってサブネット」を登録するの?」という話しは以下の記事を参考にしてみてください。

自宅をVPNゲートウェイにして安全にインターネット接続する
Tailscale VPNを使えば外出先から自宅ネットワークに簡単にVPN接続することができます。
ついでなので、今回登録した自宅サブネットをVPNゲートウェイにして、外出先からでも自宅経由で(暗号化して)インターネット接続してみます。
外出先から自宅までVPN接続、さらに信頼できる自宅ネット回線からインターネット接続することで、信頼できないネット回線(ホテル回線・街中Wi-Fiなど)を使わず自宅回線を使うことで盗聴などのリスク回避ができます。
外出先ネットワークの危険性
外出先からインターネットへ接続する場合、自分が所有している回線でない場合(ホテル回線や街中Wi-Fiなど)には盗聴などのセキュリティ上の不安があります。
サイトへログインする場合のログインID/パスワードやクレジットカード番号などを盗聴される危険性です。
せっかくtailscale VPNを使って自宅ネットワークへ暗号化接続しているので、このまま信頼できる自宅のネット回線を使ってインターネットへ接続できればそのような不安はなくなります。
つまり「信頼できない外出先の回線⇒(tailscale VPN暗号化)⇒自宅ネット回線⇒インターネット」という流れです。
tailscaleの通信経路「Exit Node」
tailscale VPNを使って外出先パソコンと自宅パソコン(ネットワーク)をVPN接続していても、tailscaleの標準設定では自宅への接続以外は外出先での利用回線(ホテル回線・街中Wi-Fiなど)を使ってインターネットへ出ていきます。
標準設定を見直して「インターネットへの出口(Exit Node)を自宅にする」という設定を行うと、外出先からのすべての通信が自宅パソコン(ネットワーク)を経由して自宅回線からインターネットへ出ていくようになります。
この「Exit Nodeをどこにする?自宅回線?ホテル回線?」の切り替えができるように自宅のtailscaleを設定しておくと、いつでもインターネット接続に自宅回線を使うことができます。
自宅サブネットをVPNゲートウェイ(Exit Node)に設定する手順
Tailscaleへ登録した自宅サブネットを「Exit Node」としてTailscaleへ登録することで、外出先から自宅へ接続したパソコン・スマホの通信をそのままインターネットへ流すことができます。
自宅サブネットをVPNゲートウェイ(Exit Node)として使うことで外出先の信頼できない回線から盗聴などのリスクを排除できます。
自宅サブネットをVPNゲートウェイとして使う手順は以下の3ステップです。
- 自宅側Tailscaleを「Exit Node」として登録する
- Tailscale管理画面で「Exit Node」を許可する
- 外出先Tailscaleアプリで「Exit Node」を自宅ネットワークに設定する
自宅サブネットを「Exit Node」に登録する
では自宅のサブネットをTailscaleへ「Exit Node」として登録してみます。
- STEP1自宅ネットワーク側の設定
自宅ネットワーク側のTailscaleをVPNゲートウェイ(Exit Node)として利用できるように設定します。自宅ネットワークのOpenWrtルーターにSSHログインして以下の「tailscaleコマンド」を発行します。
# tailscale up --advertise-exit-node --advertise-routes=192.168.1.0/24
IPアドレスは自宅ネットワークに合わせてください。
この時点でTailscaleに自宅ネットワークがExit Nodeとして動作するための仮登録が行われます。
- STEP2TailScale管理画面でのExit Node承認
tailscale管理画面からOpenWrtルーターの「Edit Route Settings…」を選びます。
「Use as exit node」のスライドスイッチをオン(右へスライド)します。
これで自宅ネットワーク側はtailscale VPNゲートウェイ(Exit Node)として動作することができるようになりました。
- STEP3クライアントのExit Nodeを切り替える
Tailscaleクライアントアプリから「Exit Node」を自宅ネットワークへ切り替えます。タスクトレイからtailscaleアイコンを右クリックしてメニューを表示させます。
「Exit Node」を「None」から「自宅サブネットルーター(ここではOpenWrt)」に切り替えます。
これで自宅ネットワーク経由でインターネット接続するように設定完了です。
なお、「Exit Node」で「None」を選択することで解除になります。
自宅ネットへ接続するパソコンはいつでもExit Nodeの設定を変更することができます。
外出先のネットワークが信頼できる場合は「Exit Node = None」とすれば直接高速にネット通信できます。
外出先のネットワークが信頼できない場合は「Exit Node = 自宅ネット」とすればtailscale VPNで自宅回線をVPNゲートウェイとして利用できるのでセキュリティが向上します(その代わり暗号化により速度は落ちる)。
クライアント側ではいつでも切り替え可能なので、自宅ネットワーク側もExit Nodeの設定をしておくとよいでしょう。
まとめ、WiMAX +5Gでも安心・簡単にVPN接続しよう!
WiMAX +5Gホームルーターはその通信の仕組み上「ポート開放」の設定を行っても機能しません。
WiMAX +5Gホームルーターの通信サービスはプライベートIPアドレスだからです。
ですが、「ポート開放」はできないけど「VPN接続」はできます!
Tailscaleのサービスを使うと超簡単!超便利!なVPN環境を作ることができます。
「パソコンとパソコン」のVPN接続だけでなく「パソコンとネットワーク」のVPN接続もできます(サブネット機能)。
いつでも外出先から自宅のネットワークへ自宅にいるときと同じように使うことができます。
このサブネット環境構築のためのポイントをまとめます。
サブネット環境構築にはOpenWrtルーターがおすすめ
いつでも外出先から自宅のネットワークにVPN接続するためには自宅ネットワーク内に常時稼働しているデバイスが必要です。
「WiMAX +5Gホームルーターが常時起動してるじゃん!」ということになりますが、残念ながら「WiMAX +5Gホームルーター」はTailscaleのサブネット登録コマンドが発行できません。
消費電力が小さく静かで小さなLinuxパソコンとして人気の「Raspberry Pi」を使う人が多いようですが、私のお勧めは「OpenWrtルーターを作って使う」という方法です。
Raspberry Piが数万円かかるのに対し、OpenWrtルーターならちょっと型落ちのルーターを購入して作ることができます。
なんでもできる高性能ルーター「OpenWrtルーター」はたった1,000円程度で作ることができます。
Tailscaleを使って自宅ネットワークをVPN公開するなら、ぜひOpenWrtルーターにもチャレンジしてみてください。
おすすめのWiMAX +5Gプロバイダーはどこ?
自宅回線環境の見直しをしている方で「WiMAX +5Gは自宅へVPN接続できない!?」と困っている方、ぜひTailscaleサービスを使ってみてください。
無料プランでも最大10台のデバイスを相互VPN接続できるし、自宅ネットワークを丸ごとVPN公開することもできます。
WiMAX +5Gを検討している方、自宅へのVPN接続を検討している方、WiMAX +5GホームルーターでVPN接続できるので安心してください。
WiMAX +5Gのおすすめプロバイダー
WiMAX +5Gは多くのプロバイダー(通信事業者)が自社ブランドでサービスを提供していますが、通信サービス自体はKDDI系列の通信事業者「UQコミュニケーションズ」が運営しているので通信サービス(エリア・速度など)はどのプロバイダーと契約しても同じです。
どのプロバイダーと契約しても通信サービスが同じであれば「一番安く使える」プロバイダーを選ぶのが良い、ということになります。
そして、一番安く(しかもダントツ)使えるプロバイダーはGMOとくとくBBです。
GMOとくとくBBの月額料金体系
GMOとくとくBB WiMAX +5Gの料金体系と契約形態は以下のようになっています。
費用・契約 | GMOとくとくBB WiMAX ギガ放題プラス | |
---|---|---|
契約形態 | 2年契約・自動更新なし 違約金1,100円 | |
5G専用端末 | 契約時購入必須 21,780円 36回分割払い(605円/月×36回) | |
月額料金 | 0か月目 ※利用開始月 | ・月額料金最大1,474円/月(日割り計算) |
1~2か月目 | ・月額料金1,474円/月 | |
3~35か月目 | ・月額料金3,784円/月 | |
36か月目以降(ずっと) | ・月額料金4,444円/月 | |
キャンペーン 特典 | 月額料金割引 | 36か月間の月額料金大幅割引 ※上記月額料金に反映済 |
キャッシュバック | 23,000円キャッシュバック ※利用開始から1年後に振り込み | |
平均月額 | 3,671円/月 |
3年利用を想定した平均月額はたったの3,671円/月となり、これはWiMAX +5Gでは最安しかもダントツで最安の月額料金となります。
安さの秘密「高額キャッシュバック」
GMOとくとくBB WiMAX +5Gの安さの秘密は「高額キャッシュバック」と「月額料金割引」です。
特に利用開始の1年後にもらえる「23,000円キャッシュバック」は強烈で、このキャッシュバックをもらうことで高額なWiMAX +5G専用ルーター(21,780円)と2年以内の解約費用(1,100円)がチャラになってしまいます。
そのうえで月額料金も3,784円/月(税抜3,440円/月)とWiMAX +5G最安クラスです。
つまり「最低1年使うことでダントツの最安になるGMOとくとくBB」ということになります。
契約形態は「最低利用期間2年・自動更新なし」
GMOとくとくBB WiMAX +5Gの契約形態は「最低利用期間2年・自動更新なし」での契約となります。
利用開始から2年(25か月間)以内に解約する場合には解約違約金が請求されますが、この違約金もたったの1,100円です。
しかも、前述のように最低1年使えば23,000円のキャッシュバックをもらえることで、違約金と端末代金はチャラになります。
GMOとくとくBBの契約形態「最低利用期間2年」はあまり気にする必要はありません。